雨と風 どっちが嫌? | PTD ~ Pilot To Dispatch ~

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ヒコーキオヤジのひとりごと
 空の話、ときどきタイのネタ…

 …と聞かれたら、私は断然風が嫌。
ゴルファーと同じような返事だな(笑)
 
 雨は視界が悪くなることと、滑走路が
若干滑りやすくなるぐらいなので、計器
進入を使ったり、ブレーキのかけ方を
考えれば何とかなる。
 
 しかし風は私のような小型機にはかなり
大きな影響を、たいていの場合は邪魔をする
方向に与えてくれる。特に横風。
 
 横風着陸は単発のレシプロ機からジャンボ
ジェットまでサイズを問わずパイロットの
腕が問われる高難度な技。特に接地の際は
機体を風上に傾けて降りるので、機体に
よって横風成分の最大値が決められている。
 
 背風(追い風)もそう。飛行機は基本的に
風に向かって進むように作られているので、
後ろからの風にはあまり強くない。急激な
突風を受けたりすると瞬時に機体の揚力が
奪われたりして。地上近くでは危険な状態に
なることもある。だから追い風の許容最大値も
機体ごとに厳密に定められている。
 
 でも、一番大切なことは「自分の許容値」を
持つこと。たとえマニュアルにある最大許容値
よりも小さくても、自分の腕では安全に降り
られないと感じたらためらわずに着陸を復航し、
風が弱まるのを待つか、代替飛行場へ逃げる。
 
 この「逃げる」というオプションを持つことが
大事。風に挑んではいけない。十分に練習を
積み、自分の自信の中で降りるようにしなければ
ならない。
 
 今宵、関東平野は大荒れになる。全ての
航空機が無事に降りてこられますように。