バッテリー発火事故以来運航停止が続いていた
ボーイング787がようやく世界中で運航を再開した。
とりあえずの対策は採ったものの、発火の原因は
いまだ解明されていないまま、いわば見切り発車である。
アメリカ連邦航空局がゴーサインを出したわけだから、
それなりに対策らしい対策にはなっているのだろうが、
あくまでも「火が出ても大丈夫」という対策であって
「火が出ない」という対策ではない。
複数の会社が製造を分担し、それぞれの会社がさらに
作業を国外の下請けに出す… という複雑な工程を
経ている787、この工程が原因究明を難しくしていることは
言うまでもない。そして、今後も何かしらの事故原因を
持ち込むことにもなりかねない。
新しい発想や視点で作業の工程を改革していくことは
大切だが、それによって安全がないがしろにされることは
あってはならない。
特に「火」に関しては…
飛行機にとって火は致命傷である。上空、もしも太平洋上で
火災が起きたら不時着地はないのだ。
NTSB(アメリカ運輸安全委員会)による調査は今でも
精力的に続けられている。近いうちに出火原因が特定され、
抜本的な安全対策が講じられることを待ちたい。