P.G.A
1989年 『P.G.A』 (シルクスクリーン)
「世界ゴルフ5大競技シリーズ」第3作「プロフェッショナル・ゴルファーズ・アソシエーション」(P.G.A、全米プロゴルフ協会)選手権。P.G.Aはマスターズ、USオープン、全英オープンと並ぶ世界4大タイトルのひとつで、1916年に創始。
描かれているシーンは、1975年オハイオ州アクロンのファインストーンカントリークラブで行われた大会の第3日目、16番ホールの劇的なシーンを描いたもの。
試合前、オハイオ州生まれのジャック・ニクラウスは地元の帝王として圧倒的有利な下馬評に包まれていたが、いざ蓋を開けてみると、初日8位という滑り出し。しかし次第に地力を発揮して3日目、ようやくトーナメント・リーダーにのし上がってきたが、魔の16番ホールは625ヤード、パー5のロングホールでグリーンは池声という難所。優勝を意識したニクラウスはアンプレアブルとし、ワンペナルティ。続く第3打もメンタルな動揺のためか、グリーンの手前、高い木立の手前に落としてしまった。万事休す。日本の巨木の間にスタンスをとった帝王に、ギャラリーは固唾を呑む。そして、第4打。ギャラリーのどよめきの中で、白球は樹木の間を抜け、池を越えて137ヤード飛び、ピンから25フィートの地点に。この作品が描かれているのはまさにこの瞬間。
その後ニクラウスはパットを沈め、この魔のホールをパーでまとめ優勝へのステップにすることができた。マスコミは絶望的なブランダー・ショット(大失策打)から、ものの見事にリカバリーしてパーをものにした帝王ニクラウスの偉業を
“The par of the year””
とはやし、P.G.Aツアー史上の語り草として伝えていえる。

