OVO光コンバータでCDプレーヤーをフルデジタル接続 | Fairy Sounds

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 クラウドファンディングで支援済み(2019年3月)のJDSound「OVO光コンバータ」が届いたので、すでに先行送付されていたスピーカー「OVO」2台と組み合わせて、フルデジタルのポータブルCD再生システムを構成してみました。

 

 

 組み合わせた機器は Panasonic SL-CT720 (2005年製、生産終了)というポータブルCDプレーヤーです。

 最近のポータブルCDプレーヤーには、光デジタル出力端子が装備されていないため、本機を中古市場から調達しました。

 この機種固有の条件として、POS2(高音質モード)に設定(停止中にリモコンのMEMOボタンを長押し)することと、ACアダプタを使用すること、これらが満たされないと音質が劣化します。(詳しくはManual参照のこと)

 

 ポータブルオーディオ市場において光出力端子が廃れた理由は、これがもともと、CDからMDレコーダーへのデジタル転送を主目的として想定されていたためです。

 現在ではMD機器は、ほぼ生産終了の状況です。

 また、光デジタル出力端子を装備したATRAC後期型のMDポータブル機は存在しません。これは、MDでは規格仕様として1世代のデジタルコピーしかできないので、装備する意味がほとんどないためです。

 もし、ポータブルMD機器と光デジタル接続できるのなら、さらにコンパクトなシステムになるのですが、それは実現不可能です。

 

 OVO2台をデジタル接続してステレオ再生する手段としては、公式には、OVO光コンバータを介して光出力端子にS/PDIF接続する、この方法しかありません。

 メーカーからはTVの光出力端子に接続することが推奨されていますが、私はTVを見ないので、CDプレーヤーに接続しました。

 

 OVO光コンバータに付属する光ケーブルは両端が角型なので、一方が丸型の接続ケーブルを別途用意する必要があります。

 

 さらに、OVO光コンバータが 1.5AのUSB電源供給を必要とするので、一般的なUSB端子(1.1A出力)では動作しません。よって、高出力のUSB-AC充電器(4.8A出力)を調達しました。(これが光コンバータよりも重い)

 追加で用意するものは以上で、あとは機器の付属品でまかないました。

 

 使用するケーブルは、電源用ケーブル2本、光ケーブル1本、OVO2台にUSBケーブル各1本ずつ、リモコンケーブル1本の、計6本です。これらを全部接続して、再度収納するのは結構な手間となります。

 総重量が約1kgを超えるので、持ち運びには向いていると言えず、ぎりぎりでポータブルな構成となってしまいました。据え置きで使用するのが実用的かもしれません。

 

 なので一応、接続してみた、というほどのシステムです。

 最初にCDプレーヤーを再生開始してから、OVO本体が蓄電を始めるために、実際に音が鳴るまでに数秒を要しました。

 

 そして結果の出音は、広がりも良好であり、さすがはCDからスピーカーへのデジタル直結だけのことはある、素晴らしいものでした。これだけでも試してみる価値があったといえます。

 この構成では、CDプレーヤーのDACをバイパスするので、アナログの歪やノイズを最小限にとどめた再生ができます。

 しかもスピーカーは置き方で音質傾向が大きく変わるので、OVOペア2台で手軽に、自由なセッティングを試行可能なことも、このシステムの利点でしょう。

 ペア2台のOVOのボリューム調節は、本体またはコンバータの操作にて、LR同時に行えます。つまり2台が1つにまとまったようにコントロールできます。

 

 2台のOVOをステレオLRに振り分ける設定は、OVO本体のLR Swapの操作のみで可能です。

 なお、究極のこだわり構成として、Chromeブラウザを使用してEQを変化させれば、下記のように2つのユニットをBass専用とすることが可能であると、紹介されていました。

 時間がかかりそうだったので試していませんが、これなら音像の定位も、音質も納得のいく効果が得られそうです。据え置き型のシステムならば、お勧めできます。

 

 さらに可搬性能を重視して、OVO1台のみの構成も試して見ました。先ほどのペア構成から、OVOを1台取り外して、残りの1台を通常の本体設定に戻すだけです。使用ケーブルが1本減って5本に、よりポータブルになりました。

 OVO2台構成を試したばかりなので、それと比べると音の広がりはありませんが、それでもフルデジタル構成であり、中音域、高音域のクリアなことは、申し分ありません。

 

 最後に比較のために、OVOのアナログ接続も試してみました。

 アナログ接続では、一般にOVO1台のみの構成になります。使用するケーブルはさらに1本減って計4本となり、もちろん光コンバータも取り外すと、最小構成となり、まさにポータブルといえます。

 OVOのアナログケーブルはリモコンの先端に接続し、ノイズ対策としてフェライトコアを、電源ケーブルと出力ケーブルに取り付けてあります。

 このセッティングでは、CDプレーヤーのDACの素性が素直に現れる印象でした。

 この SL-CT720 は、1bitDACを搭載しており、それなりのイヤホンで聞くと、もともと良い音質で音楽が楽しめる機種です。mp3に対応しているのですが、その場合はデジタル出力できないので、アナログ接続のみとなります。

 同じCD-DAで試聴してみましたが、フルデジタル接続との差異は意外と小さく、OVOからは、リモコンの先端にイヤホンを取り付けて聞いたときと同様の良好な出音が得られました。重低音は曖昧になりますが。

 ちなみにOVOのアナログ入力には高価なADCが使用されているそうです。十分な性能が得られることを裏付ける結果となりました。


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