受難のマリア像- Maynard Ferguson "Maria" | Fairy Sounds

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  長崎原爆で傷ついた「被爆マリア像」が、核不拡散条約(NPT)再検討会議に合わせて、一時的に渡米するとのことです。

  被爆のマリア、核なき世界訴えNYへ NPT再検討会議 (asahi.com)

  爆心地近くの浦上天主堂の焼け跡で、首から上のみ焼け残っているのが見つかったという、木彫りのマリア像。かつては慈悲深い眼差しで信者を見守っていたであろう、その面影からは程遠く、あまりに無残で痛々しい姿です。
  三つに割れていたものを、2000年に指物職人である西村勇夫さんが現在の状態に修復。2005年からは専用の祭壇の中に収められています。

  一瞬にして失われた多数の犠牲者の生命と引き換えにして、まさに人類へと残された負の遺産です。一目見るだけで、これほどに受難を一瞬にして理解できる、具体的な形のモニュメントは、それほど多くはないでしょう。
  というより、祈りの気持ちとともに、このようなものを再び産み出すような事態を、再来させないことを願わずにはいられません。

  戦いの日々の連続、憎しみの連鎖と再生産によって、残念ながら人はやがて、自分が戦っている相手が、人間であることを忘れてしまうものなのです。
  紛争がもたらすそのような事態に至る前に、あらゆる手段を講じて、戦争は回避されなければなりません。

  核兵器の問題に限らず、忘れてはいけないことして強調しておきたいのは、あらゆる「聖戦」すなわち崇高なる目的の戦いという主張そのものは、いかなる殺戮が行われる場合においても、それは偽善でしかないということです。
  それはすなわち、自民族中心主義のもと、非-人道的行為を自己正当化するための理由付けに過ぎないのだと、断言できると思っています。
  まあ、こうしたことも、現在が平和であるからこそ、発言できるのでしょうけど。

  それでは、 メイナード・ファーガソン (tp)の演奏による「マリア」(ウエストサイド・ストーリーから)の演奏をお聴きください。彼の超絶技巧の演奏は、ある意味では力の象徴であり、それがもたらす悲しみを同時に表現しているようにも思えます。

Maynard Ferguson " Maria " (Live)
 Mr. Maynard Ferguson(tp) & his Big Band.


(2010-04-21 20:12:45)