iPhone/iPod touchアプリの一つで、米Spoonjack社の「iBone - Pocket Trombone」が、2009 Best Musical Instrument App Winner(最高の楽器アプリケーション賞)を受賞したそうです。
iPhone用トロンボーンアプリ「iBone」が最高の楽器アプリケーション賞 (Barks)
このアプリは、基本音程をボタンの位置で、微妙なトロンボーンのスライドアクションを、スライダーの指先でシミュレーションできるというもの。まずはその演奏を聴いてみてください。
少し練習はする必要はあるでしょうが、リアル楽器なら少なくとも2-3年は続けないと演奏出来ないような、よくできたシミュレーションになっていると思います。初心者の場合、このような音色はまず出せないので、まさにお手軽なのは間違いありません。
演奏曲はジャズのスタンダードですが、部分転調のある曲で、やや高度です。
これをアドリブで演奏するには、ジャズのそれなりの演奏経験が必要です。また実際のトロンボーン演奏と同様に、微妙なピッチ感覚も持ち合わせていなければならないでしょう。
iBone " All the things you are " (2009)
composed by Jerome Kern (1939).
(画像はありません)
一般の人にとって、トロンボーンという楽器はあまり知られていないことが多いので、このアプリが、あの「初音ミク」のように流行することはないだろうと思います。
しかしそれゆえに、トロンボーンという楽器の演奏が、こともあろうに、携帯電話に置き換えられてしまっていても、誰も気づいてもらえないということは、あり得るような気がします。
まさに、それは悪い夢…。こうしたものが話題となって、トロンボーンという楽器の特性が、より多くの方に知られるきっかけとなればよいと思うのですが。
まずはiBoneをいくら練習して上手になっても、それは自己満足を超えるものにはならないでしょう。
そんなことに時間を割くくらいなら、本当のトロンボーンを練習することをお勧めします。最初は大変ですが、長期的には得られる音楽経験の質が、ずっと豊かなものになりますから。
つぎに同じ曲を、 以前に紹介 した事のある、Bill Reichenbachの演奏でお聴きください。これはバストロンボーンなので、テナートロンボーンとは少し音色が違います。
通常、実際のトロンボーンでこのような演奏が可能になるまでには、数年以上の長い音楽経験が必要になります。
それを聞き分けてくれることが出来る、そのような聴衆はどれくらいいるのでしょうか。
実際に人が奏でている、表現としての音楽を、お楽しみいただければと思います。
Bill Reichenbach(B.Tbn) " All the things you are " (2007)
with Matt Harris(pf).
(2010-03-06 11:41:29)