安室奈美恵 さんのアルバム「PAST<FUTURE」が、アジア5か国と地域で、チャート1位を獲得したとのこと。嵐に続いて、女性としては初めての快挙だそうです。
安室奈美恵が初快挙、東アジアの女王就任 (Asahi.com)
彼女の場合は、かつてのアイドルのように、自らが放つオーラのようなものはなく、そのことが逆に、普通の女の子であってもチャンスさえあれば華麗なスターになれるというような幻想として、同世代の憧れの対象となったのでしょう。
しかし現実には、あのようなスターになれるのは、彼女一人だけですが…。
さて肝心の音楽面ですが、1990年代には、小編成バンドをバックに生声で唄っていたので、何がしかの感情表現のようなものが入り込む余地が、まだありました。
しかしテクノロジーの進化に従って、最近の楽曲制作では、バックはもはやバンドさえ不要の、オーディオ編集強化のDAWが100%、歌は地声が60%くらいでボーカル・エフェクト40%、というのが現状というところでしょう。
つまり、音楽的に彼女の個性を残すとすれば、もはやこれ以上、テクノロジー側に後退することは出来ないというところまで来ていると思います。
まあ、声域範囲は狭く、リフを繰り返すだけのシンプルなメロディー、さして意味のない歌詞といった要素は、国境を越えて表面的な共感を得るために適しているという印象はあります。
ところで、最近はヒットチャートにも入るようになったボーカロイドの音楽性は、今のところテクノロジーが70%、人間である声優さんが30%位の印象です。
つまり商業音楽の分野では、残された30%ほどが、人間と機械を隔てる最後の障壁として、いわゆる「不気味の谷」になっているのが現状でしょう。
もっともこの部分を、テクノロジー開発が埋めていくのは、時間の問題だと思われます。
彼女の魅力はもともと、派手なダンサーのパフォーマンスや、スタイリストによるファッション・デザインに依存する傾向が強かったように思います。
従って今後も、そういう方向性への依存を強化していくことになるでしょう。
わたしは安室奈美恵さんのことを、優れたパフォーマーだと思いますが、すでに歌手であるとは感じていないというところでしょうか…。
安室奈美恵(Namie Amuro) " COPY THAT "
(from "PAST<FUTURE")
(2010-01-27 18:17:44)