音楽事業の売却は表現芸術としての音楽の衰退の兆候か | Fairy Sounds

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  ビクターが音楽事業の売却を検討しているとのことです。売却先はゲームメーカーのコナミが有力とか。
  かつてのピクター音楽産業の頃のイメージが残る会社が、その要の音楽ソフト事業を切り離すとは、さすがに少なからず衝撃的です。もう音楽事業はそれほどまでに投資価値の無い分野と判断される時代になったのでしょうか。

  「ビクター、音楽事業を売却検討 買い手はコナミ有力」

  よりによってゲームメーカーに売却されるとは…。ゲームに音楽は必須でしょうけど、あくまでもプレイの添え物であり、ハードウェアは進化しているとはいえ、ゲーム機器の中に仕込まれる音楽に、どれほどの豊かさがあるというのでしょう。そこではリアルな人間はもはや、単なる表面を覆うイメージにしかなれないことでしょう。
  これは単なる一社だけの局所的な出来事なのか、それともあるいは、表現芸術としての音楽の衰退の兆候なのでしょうか。

  確かにCD販売よりも音楽配信が盛んになっているといわれていますが、最も成功しているといわれるAppleでさえ、音楽配信事業そのものは赤字なのだという話を聞いたことがあります。それが真実であるとすれば、ではいったい何のための配信事業なのか、疑われても仕方ないことでしょう。
  1990年代からAppleは、まるで「音楽で芸術をすることとはアップル・コンピューターを所持することなのだ」というイメージを形成するための事業戦略を、長期間、展開してきました。
  要するに、高尚な芸術イメージとセットにして、実は自社のハードウェアを売り込みたかっただけのことなのです。そこには表現芸術としての音楽の発展を願う心などは無く、冷徹な経営戦略しか存在していなかったのではないでしょうか。
  そうでなければ、一曲100円という使い捨てのような価格設定の根拠はどこにあったのかと、改めて考えてしまいます。

  音楽家も人間なので経済活動抜きに生活は出来ないし、P2Pでの違法配信など無料配布の氾濫を受けて、音楽制作者のモチベーションは、いまや下がる一方ではないでしょうか。
  聴き手にとっては、わずらわしい出費なのでしょうが、それが音楽製作者を育てていることを今一度、どうか考えてほしいと思います。


(2009-11-09 18:27:02)

 ビクターが音楽産業から撤退して、はや10年が過ぎようとしています。

 ここに書いたことは基本的に、現在でも通用する内容でしょう。