(『新・人間革命』第7巻より編集)
63
〈萌芽〉 36
(つづき)
そうした弱い自分の心を、生命を鍛えて、人格を磨いていくことが人間革命であり、それなくしては、真実の幸福の軌道を邁進していくことはできません。
そして、その人間革命を可能にする大哲理が、日蓮大聖人の仏法です。
ゆえに、人間の幸福につながる、自由の模範を築くうえからも、アメリカに、このニューヨークに、仏法を流布していく意義は、極めて大きいといえます。
一方、国際政治のうえでも、アメリカは西側陣営のリーダーです。
それだけにアメリカの対応いかんによって、昨年秋の”キューバ危機”のように、いつ、核戦争に発展するかわからないという、厳しい現実があります。
そのアメリカに仏法を流布することは、核を廃絶する根本の哲学が広まることであり、世界平和の大潮流をつくることになります。
だからこそ私は、アメリカの皆さんの活躍を、心から期待したいのです。
ケネディ大統領は、”ニューフロンティア”(新開拓)を訴えてきましたが、学会の精神も開拓にある。
信心とは、自分自身の生命の開拓であり、無限の可能性の開拓であり、広宣流布の開拓です。
その原動力は唱題であり、強盛な祈りです。そして、果敢に、粘り強く、挑戦を重ねていくことです。
どうか、”広布のニューフロンティア精神”の火を、赤々と燃やして、幸福と平和の新しい道を開いていってください。
また、仲良く、和気あいあいと、団結第一に進んでいっていただきたいとお願い申し上げ、私のあいさつとします」
歓声と拍手が、伸一を包んだ。
ニューヨークも決然と立ち上がった。広布の種子の萌芽の瞬間であった。