やがて、この子どもたちの時代が来ると思うと、励ましに力がこもった。女子部のメンバー。 | くにまさのブログ

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    (『新・人間革命』第7巻より編集)

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          〈萌芽〉 17

 

 その時、伸一は、ベッドルームから、こちらを覗いている四人の男の子がいることに気づいた

 

 クワノ家の子どもたちである。

 

 「こちらへ、いらっしゃい。カムヒア」

 

 伸一が呼ぶと、・・・  。

 

 「お土産をあげたいが、今日は持ってこなかったので、お小遣いをあげようね」

 

 伸一は、財布を取り出すと、「いつも、お留守番ありがとう」と言いながら、一人に一ドルずつ手渡していった。

 

 「しっかり勉強してね」

 

 やがて、この子どもたちの時代が来ると思うと、励ましに力がこもった。

 

 帰り際に、伸一は、パートと握手を交わした。

 

 私たちは、友達になりましょう。またお会いする日を楽しみにしています」

 

 パートは、笑みを浮かべて、強く伸一の手を握り締めた。それから一年足らずのうちに、彼は入会したのである。

 

 クワノの家から帰る伸一たちを、車で送ってくれたのは、女子部のチカコ・ハヤシダであった

 

 彼女は、ロサンゼルス郡立病院に勤める看護師で、肺疾患の病棟の夜間業務を任されていたが、それ自体が信仰の実証であった

 

 ハヤシダは、ワシントン州生まれの日系三世であった。

 

 戦後は日本に引き揚げ、熊本で暮らした。そして、高校から看護学校をに進み、看護師になり、実兄のいるアメリカに渡った。

 

 アメリカ生まれとはいっても、英語がまるでわからない。

 

 彼女は、ロサンゼルスの日本人病院で、看護師の手伝いとして働いた。その病院に勤めていた、メンバーのカズコ・エリックから、初めて仏法の話を聞かされたのである。

 

 人間が生きる上で、宗教は必要だと考えていたハヤシダは、素直に入会を決意した。