2/2 平日休日 | ✈地球サイズの晴天* 100カ国traveler旅ブログ

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これまで100ヵ国を旅した東京で働くさらり~まん兼バックパッカーが日本と海外に関する旅とグルメの情報・ディープスポットを紹介します.
The traveler working in Tokyo who traveled to 100 countries to introduce Journey of information blog.

このビルの意匠がレトロでいいなと思いつつ、天茂さんへ。

口開けで入れました。

かき揚げ丼で有名な赤坂の名店。1400円。

エビと貝柱を寄せて。いやそれにしてもこの絶妙なタレ最高でした。

で、この日は平日の休日でしたので、久々東京地裁へ傍聴へ。

傍聴後の夕飯は、ワカメたっぷりのお蕎麦。4ヵ月ぶり弥生軒でした。

さて久しぶりに東京地裁に来たお話。しかしこの日は裁判54件と少な目でした。

それで1つ殺人事件のお話。10時~17時と長丁場の裁判員裁判でした。
午後の1タームと休憩挟んで夕方の3ターム目の各1時間を傍聴することができました。
大法廷でしたが、今はソーシャルディスタンスで席が半分以下。2ターム目は満席。。

ただ、とても話が的を得ないというか、要を得ないというか、被告はもちろん、
検察も、弁護も、裁判官も、どうにもうまく話がかみ合わないというか、
とても聞き辛い、争点が分かりづらい、そんな雲をつかむような裁判。

正直1ターム目の途中で、退席しようかと思ったくらい。。

さて被告は60歳代のひょろりとしたやさ男。人を殺める雰囲気は無い平和な男風。
とても気の強いという実姉を殺した容疑の裁判。姉にいつも怒鳴られていたという。

検察いわく、どうやら、父親の遺産相続で姉(次女)ともめていたという見解らしいが、
被告いわく、姉と普段からけんかする関係ではなく、いつも一方的に叱られていたよう。

この事件の一番の争点は、このやさ男が、殺人の場面をまったく覚えてないということ。
さらに動機も検察は遺産相続でもめたということを仮説として被告に詰問しているが、
このやさ男の話や答え方を聞いていると、どうも、そうとも言えないように思える。

憶えていないところは、姉の家に行ったところから、すでにほとんど記憶が無くて、
殺人はまったく記憶がなく、そのあと記憶が戻ったのは、パトカーで護送される場面だという。
当時の検察での調書でも、そのように答えているよう。


姉宅で姉と世間話をしたことは、ところどころ思い出せるようだが、相続とは関係ない話。
検察の質問にのらりくらりしていて、まるで夢の中にいるような回答しかできないやさ男。

検察はとても苛立っている。弁護側の反駁にも細かく噛みついてくる感じ。
というのもこのやさ男、どうやら妄想性障害(パラノイア)の可能性があるという。
もし精神疾患があって心身耗弱状態だったなら、罪に問われない可能性もある。
起訴したらほぼ有罪になるのが日本の裁判ですが、もし病気なら無罪なわけですから。

夕方の3ターム目で被告のかかりつけ医師が弁護側証人で登場。
とはいえ、とても中立な立場のコメントでしたが、やはり被告は妄想性障害であるよう。
 

責任能力が無いかもしれないということ。被告は加害者でもあり被害者であるが、
むしろ姉を殺されたという被害者に近い気持ちに今はあるかもしれない、

という医師のコメントには、この事件の悲惨さを物語っているように思いました。

 

この裁判すらも被告だけなく、これに関わるすべての人を苦しめているような、

そんな気にさせられる事件なんだと思いました。

いやそれにしても、こういう話って、映画やドラマの世界と思ってましたが、
実際にそんなことがあるのか、とちょっと凍り付く気持ちになりました。

計画性もなく、実感も無いのだから。夢を見て、夢から覚めたら、実姉が殺されていた。
そしてそれはどうやら自分が刺殺したという。状況証拠から認めざるを得ない。
本当に自分がこんなことをしてしまったのも信じられない、ピンとこない。って感じ。

 

「(この結果について)申し訳ないとは思う。でもどうしてこうなったか。

本当にピンとこないし、どうすればいいのか(私には)わかりません。」

裁判の行く末を憂う。もし自分が裁判員なら、この判断は本当に難しいなと思う。