わたしたちスクール・ダイバーシティ(SD)は、今年も「東京プライド」(6/7・8開催、去年までの「東京レインボープライド」)に参加してきました。今回の更新は、その振り返りです。すみっません、ずいぶん時間はたってしまいましたが。
SDからは、その土日2日間、生徒、卒業生、教員10名ほどが、ボランティアやフェス散策、そしてパレードなど、さまざまな形で参加しました。
さっそくですが、「感想・考察」です。毎年のように出る感想ですが、「“多様性が大前提”という空間は、楽!」「あたりまえに縛られないのが心地よい」というのはホントそうで、今年もくつろげる感がすごかったです。ちょっと、写真も。
こんな感じですね、楽しそうな穏やかな感じです。で、そんななかちょっと見てもらいたいのが、こちら。
この一枚、異性愛カップルとその子どもです。子どもにダイバーシティな価値観を身に着けてほしいということで、連れてきたそうです。こんな積み重ねがダイバーシティの空気を厚くしていくんだろうなと。
つづいては同性愛カップルとその子どもです。スウェーデン在住で、子どもは代理出産とのことです。多様な家族の在り方を知ってほしいという気持ちで来場、という、こんな事例をTV朝礼でも紹介したわけですが、こういう話がどんな空気感の中でも聞かれているのかな、というのは気になります。担任の先生方にがんばってほしいところです。
いずれにしてもこういった写真なんかは、いかにも東京プライドらしいわけですが、実はそんなに穏やかな感じの人たちばかりでもないんですね。とにかく好きな格好、振り切った格好という人たちも少なくありませんから、学校では紹介できないような装いのみなさんもいるし、街中で会ったら思わず目をそらすしかないようや強面、タトゥだらけのマッチョな男性カップルなんかも目にします。でも、だけど、っていう話です。不思議なことかもしれませんが、あの空間にいると、それが「味方」にしか見えない! また、 「ロリータファッションのおじさん」たちも見かけますが、でも、それをクスクス笑うような空気もぜんぜんないです。あの空間では、「自分の好き」を表現することは、つねに「あり」なんだっていうところ、ホント安心感です。
そう、「他の誰かや、自分自身を傷つけなければ、〈自分の好き〉を自由に表現していい」という「グランドルール」、これですよね。教室でありがちな空気、「自分たちのあたりまえと違ういろいろ」「ちょっと変な誰か」なんかを見つけては、それを「まともな仲間たち」の間でで「クスクス」笑い合うような、そういう教室の空気感。でも、東京プライドの時空にはそれがないんですね、だから居心地がいいし、そういう空気を学校にだって作れるんじゃないかなって、そんなふうに思ってSDは活動してるわけです。他人のことも、自分のことももっと好きにさせてやれよって思います。で、「誰も傷つけない」が大前提で―ってすごいナイスだと思うんですけど、どうでしょう?
最後です。今年東京プライドに協力し、その活動を支援してくれた企業の中には、アップルやコカ・コーラはじめ、トランプ政権の反多様性政策に反対し、多様性促進の側に立ち続けることを表明している企業も少なくないです。というわけで、今年の会場には、いつにもまして、ダイバーシティな世界を目指す本気度が感じられたのも、居心地の良さにつながったのかもしれません。ちなみに、中央大学のダイバーシティ・センターなど、ブースやパレードのフロートを出している大学・学校関係団体も少なくありません。成蹊学園、成蹊高校としての協力、参加も、こういうタイミングだからこそ、呼び掛けたいです。
さて、代々木公園での東京プライドは2日間で終わります。参加者はみんな日常へと戻っていくのです。ただ、東京プライドで思いがけず「マイノリティの心細さ」を感覚したマジョリティの誰か、同じく「多様性仕様」の安心感を味わったマイノリティの誰かたちが見る日常は、それまでとは少し違ってくるのではないでしょうか? こういうことの積み重ねが、社会をよりダイバーシティな社会に変えていくような気がします。まだ、あの時空を知らないみなさん、来年こそは、ぜひ!