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スクール・ダイバーシティ

成蹊高校生徒会の1パートとして活動しています。あらゆる多様性に気づく繊細さ、すべての多様性を受け止める寛容さ、疎外や差別とは対極にあるこんな価値観を少しでも広く共有したいと思って活動しています。

 前回に引き続き、「東京プライド2025」です。今回更新では、代々木公園でのフェスの翌週、06/14, 15に、初めて開催されたイベント、ユース・プライド関連のエピソードを紹介します。
 
 スクール・ダイバーシティ(SD)は団体としてこのユース・プライドに参加したわけではありませんが、SDの卒業生メンバーの長﨑珠莉菜さん(https://www.instagram.com/jurina_ngsk)が、このイベントで登壇、「成人式」の企画で「成人の言葉」を述べました。その「言葉」は、SDとしてみなさんと共有したいなと、そんなふうに思わせる「言葉」でした。こんな感じです。

 

 ユース成人式にご来場のみなさん、こんにちは。YouthProject自主イベント企画メンバーの、珠莉菜です。
 わたし自身、昨年度のTRPボランティア活動や、このユースプライドの活動を含め、さまざまなところでダイバーシティやLGBTQ+に関する勉強や活動を行っており、今年で4年目になります。これらの勉強や活動は、自分がいかに、周りからの世間体や評価を大いに気にし、学校や社会における「模範」になろうとしているか、ということを気が付かせてくれています。
 わたしはいま大学2年生で、ここまでの人生は、小学校→中学校→高校→大学と、日本において「一般的」とされる道を歩み、そこでは自分の価値観や考え方よりも、その組織や団体内で「模範」や「常識」とされるものを優先させ、そこに自分を無理やり合わせていました。どんなに疲れていても毎日08:00になったら学校に行っていたし、着たい服があっても着る服を指定されたらその服を着用していたし、試験が近づいてきたらほかにやりたいことを我慢して勉強を進めたり。もちろんその中には、「ありのままの自分」「なりたい自分」を”押し殺す”こともたくさんあります。  
 今のわたしは、このような学校や社会において当たり前のように運用されている「模範」が、LGBTQ+を含め、さまざまなマイノリティを抑圧する方向にはたらくことが大いにある、ということを知っているし、わたしが行っている活動の多くは、そこから生じるマイノリティ差別に反対する活動です。それでも、わたし個人でみると、周りに合わせようとするあまり、本来の自分を押し込めてしまうことは、いまだにやめられていないのです。 
 このようなことに気が付いたからこそ、周りの環境に合わせる自分から、「ありのままの自分」「表現したい自分」をさらけ出し、それをお互いに尊重しあえるような自分になっていきたいし、それができる環境へと”門出”をしていきたい。このような思いを胸に、今回のユース成人式に参加させていただきます。
 1人でも多くの皆さんが、「ありのままの自分」「表現したい自分」を尊重しあえる未来がやってくることを願って、わたしからの言葉とさせていただきます。 
 最後になりますが、本日のような素敵な成人式を企画・運営してくださったこと、および、わたしを門出の言葉にご推薦いただきましたことに、深く感謝申し上げます。
          2025年6月15日
          YouthProjectメンバー 長﨑珠莉菜


 当日の様子は、こんな感じで紹介されています。
https://www.huffingtonpost.jp/entry/story_jp_684e4e62e4b0fcc49377a1c2

 さて、珠莉菜さんは、この登壇&トークをあらためて振り返って、こんなふうにスクール・ダイバーシティの活動と結びつけてくれました。あわせて、取り上げたいと思います。

 今回のユース・プライドにて、「成人の言葉」として3分間のスピーチを行うという大役を担わさせていただきました。 
 スクール・ダイバーシティは、わたしのダイバーシティ活動の”原点”であり、高校2年生のときにスクール・ダイバーシティに参加してみたからこそ、今さまざまなダイバーシティ活動を楽しく充実して続けられています。 
 久保田先生をはじめ、ダイバーシティな活動を通じていろんな方にお会いしてから、わたしの世界の見え方は大きく変わっています。特に、自分が無意識のうちに「模範」になろうとしている、もっと直球に言うと、「権力者に褒められようとしている」ことに気が付けたのです。 
 このことに気が付かなかったら、ますます「ありのままの自分」が押し込まれ続け、いつかわたし自身が壊れていたかもしれません。ダイバーシティ活動の活動は、わたしを大きく解放してくれるものなのです。 
 だからこそ、今後もスクール・ダイバーシティを含め、さまざまなところで(うんざりしない程度に)活動を継続したいし、それによって1人でも多くの人が「ありのままの自分」「表現したい自分」を大切にできるようになれるといいなと思っています。 
 あらためて、わたしをスクール・ダイバーシティに誘ってくれて、受け入れてくれてありがとう。


  身近な社会的権威に思わず褒められたくなってしまうような「どこか」、「いい子」でいるように「呪い」に掛けられたような「どこか」。そんな「どこか」から「はみ出して来れるような時空」、そこでは「安心してはみ出していられるような時空」、そんな「時空」が身の周りにあること、まずはこういうことかなと。それはもちろん小さなコミュニティになるのだとは思いますが、だからこそ実現可能なのだとも思います。わたしたちのグループ、スクール・ダイバーシティもまた、そんな側面を備えた小さなコミュニティだといいなと。そして、珠莉菜さんのトークとそれを振り返ったコメントは、「呪い」から自身を解き放つきっかけを与えてくれるようなコミュニティの可能性を、YouthProjectと、そして、スクール・ダイバーシティに見いだして語ってくれたのかなと思っています。ナイス。

★YouthProject公式Instagram
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