いよいよ2学期がスタートしました―と聞いて気持ちの上がる人ばかりではないとは思いますが、まあ、自分のタイミングでのっそり、ということでどうでしょう。わたしたちも、やりたいこととできること、やらなければいけないこととやれることを振り分けながらじりじりとやっていきます。
さて、わたしたちの2学期は、文化祭の準備から始まりますが、文化祭の概容と、夏休みに少しずつ積み上げてきたいろいろを紹介しておきたいと思います。
今年もNPO-LIFKNITの横山さんに協力いただいて、編み物やります。編み物体験&ゲリラ・ニッティングです。ゲリラ・ニッティングって?という誰かはこちらへ。
https://ameblo.jp/sksd14/entry-12198533530.html
人種、国籍、宗教、年令、そしてジェンダー…壁だと思われているすべてを越えて編みます、という感じで。
今年度の新たな試みとしては、国際人権NGOアムネスティのキャンペーン、Love Beyond Gendersとのコラボです。
http://www.amnesty.or.jp/lp/lbg/about/mission.html
教室展示とトークライブを予定してます。教室では、アムネスティ作成、日本のセクシャルマイノリティ最新事情的な動画、パネル展示によって世界と日本のジェンダー、セクシャルマイノリティについてヒントをちりばめつつ、フォトアクションで社会に働きかけます。フォトアクションって?という誰かはこちらへ。
http://www.amnesty.or.jp/lp/lbg/share/
トークライブは野外ステージがメインですが、教室でもこじんまりバージョンでやります。ジェンダーをめぐるまったくの日常と目を疑うような世界各地の事例は、社会とそこに生きる人々がジェンダーをどうとらえているかという点において結びついている―こんな実感を共有したいと思っています。その違和感、何気ないひと言、信じられないような現実につながってます。
トークライブはもうひとつやります。「オタクとスクールカーストⅡ―本当のオタクの話をしよう」。昨年度も扱ったこのテーマをさらに掘り下げようという企画です。ますます身近な、ますますカジュアルなオタク、でもひと昔、ふた昔前のイメージ、「あのイメージ」はどうしてもつきまとって消えません。そしてそれは、誰かの楽しさが誰かの息苦しさによって支えられている世界、スクールカーストの世界とも密接でした。そして、オタクもスクールカーストもなくなりそうもありません。じゃあどうする??-誰も考えなかったような可能性をわたしたちは探ってみたいと思っています。
という感じで、今年度文化祭を考えているわけですが、今回の更新では、アムネスティとのコラボについてもう少し話をしておきたいと思います。わたしたちは、夏休みのミニイベント「座談会:アムネスティとスクール・ダイバーシティをつなげる」で、こんなテーマについて考え、そして、この2つの世界がつながっているという感覚を共有しました。
ひとつ目の世界。座談会の場では、まずこんな感じのエクササイズで、頭をひねりました。学習会などでしばしば使われる事例で、バージョンはいろいろあります。
① 「 このストーリーで、おかしいと感じる点はありますか。」
ある少年とその父親が交通事故に遭いました。父親は軽症でしたが、少年は手術のため病院に運ばれました。
外科医が呼ばれ、手術室に入り、患者を見た瞬間、外科医は叫びました。
「え?これは私の息子です!」
どうでしょう?このストーリー。この話をどう感じるのかということから、その誰かのジェンダー観が浮かび上がるのですが、それはまたトークライブ当日ということにして、ここでは、もうひとつの世界を。
②殺された南アフリカのLGBT活動家
4年前、南アフリカで有名な活動家ノクソロ・ノグワザさんが命を奪われました。加害者たちは、彼女がレズビアンであることを理由に、ノクソロさんを強かんし、瓶の破片や石で痛めつけ、繰り返し殴って殺したあげく、遺体を排水溝に捨てました。地元警察は、当初から捜査に積極的ではありませんでした。残された家族や同僚は事件の早期解決を求め、今も闘い続けています。
セクシュアルマイノリティの人びとを偏見や差別に基づく暴力から守るため、南アフリカでは国内法の整備が進んでいます。憲法は性的指向に基づく差別を禁じ、法律では同性婚を認め、同性カップルで養子をとり育てることもできます。
法整備とは裏腹に、市民の間には偏見が根強く残っており、セクシュアルマイノリティの人たちは日常的に侮辱や脅迫を受けています。暴力は言葉だけにとどまりません。とりわけレズビアンの女性は、「矯正レイプ」(性的指向や性自認を「矯正」しようとして行われる強かん)の標的となっています。ノクソロさんのように、命を奪われることもあります。多くの場合、被害者は警察に報告しません。助けを求めても、まともに話すら聞いてくれないからです。
ノクソロ・ノグワザさん(アムネスティHPより)
ここから「徹底的に捜査を!」という声を届けることができます。
https://www.amnesty.or.jp/get-involved/action/safrica_201509.html
同じ座談会の場で提示された2つの世界ですが、この気の遠くなるようなギャップを前に、目まいしかないという感じでした。何をどうすればいいのか、どこから手をつければいいのか。でも、これ、根は同じなのです。トークライブを通じて「あ、同じじゃん」という実感を共有できれば、と考えていますし、どんなふうに頭を整理すれば、前に進めるのかということを考えたいと思っています。
また近日中に、文化祭準備続報をお届けする予定です。では。
