手術結果 | むすめせん スキルス胃癌

むすめせん スキルス胃癌

今年の3月父がスキルス胃癌と
診断されて日常は急変
父の生き様、家族の絆
娘目線ですがこのブログに
残したいと思います。
又同じ病気の方、親族の方
参考にして頂けたら光栄です。

同日時

安心しきって私と弟は爆睡
これから人生最大と絶望を味わうとは
想像もせずに

午後五時すぎ
ナースが私達の元へ来た
手術が終わったのだ
でも予定時刻より1時間以上も早い
みんな不安がこみあげる
でも不安をかき消すように
失敗の事は考えず
スムーズに手術が進んだと
自分に言い聞かせていた
ベットから起きナースに釣れられ
手術室の部屋に向かう

部屋に入り椅子に座らされ
担当医からの話を待つ

担当医が部屋に入ってきた
その瞬間手術は成功しなかったと
すぐにわかった
入ってきた担当医の顔はとても暗く
申し訳なさそうな顔をしていたからだ
そして一言
「胃とれなかったです」
涙が溢れた
死を宣告されたのと同じことなのだから
担当医は続けて手術結果を話す
私は現実を受け止めたくなかった
いやだと小さな声で嘆き泣き続けた
でも担当医は話を辞めない
「胃に大きな穴が空き
癌水が穴から出ていましたが
脂肪が周り囲み転移はしてない可能性が高かったと説明しましたが
脂肪ではなく
肝臓、腎臓、十二指腸が
癌水を覆っていました
なので3つの臓器に転移が見られます
まだ表面だけなので
検査結果にはでませんでした
胃を取ろうと思いましたが
取れませんでした
命の保証が出来なかったからです
次に鼻からのワコールは
胃を通るので困難になってくるでしょう
なので直接腸にワコールが出来るように
手術しました
申し訳ありませんがこれが限界です

病名はスキルス胃がん、腹膜種です

これからの治療は主に
抗がん剤治療になります」

全て話し終えて静まり返る

婆ちゃんが口を開いた
「余命は?」
担当医「抗がん剤の効き目がなかったら三ヶ月、もって一年です」

私はこの医者は治す気持ちがないの?
なんで諦めるの?
私は諦めたくない
泣きながら先生に聞いた
私「ほかの病院で治せますか?」
担当医「この病院で治せないものはほかの病院では治せません」
お母さん「せめて食べれるようにしてくれませんか?」
担当医「今の状態で食べれるようになるのは1%です」
ほんの小さな希望を消えた
病院を変えればなんとかなる
せめて食べれるようになれば
死ぬとしても人間として死ねる
そんな願いさへも無理に近い
私はこれまで大きな絶望を味わったことがなかった
なんとかなる、なんとかなるで
なんとかなってきた
でもこればっかりはなんともならない
死という絶望、可能性の薄い治療
お父さんの手術は
ただ絶望しか与えてくれなった
お父さんの覚悟や頑張りが報われない
様々な思いが重なり涙が止まらない
担当医は話を終え部屋を出ていく
私達も泣きながら部屋を出た

お父さんの麻酔が切れ目が覚めたら
集中治療室に会いに行く
だから泣き顔を明るい顔にして
お疲れ様!頑張ったね!
ってお父さんを褒めてあげたい
だから涙よ止まって

私は素直に大声で泣けなかった
もう大人なのだから
私は一人で車に戻り
煙草に火をつけ
大声で泣いた
こんなに泣いたのは
大人になって初めてだった
泣いても泣いても悔しくて
お父さんがいなくなるという未来が
怖くてたまらない
それよりもお父さんの絶望を考えると
身を引き裂かれるような思いだった
でも時間は止まってくれない
私は溢れる涙を一生懸命止め
病院に戻った

病院に戻り数分が立ち
お父さんが目覚めたとナースから報告を受ける
お父さんのいる集中治療室に向かう
向かう足取りが重い

お父さんの集中治療室に着いた
そこには難しそうな機械に繋がれ
意識が朦朧としている
お父さんがいた
私はその姿を見て泣けた
これが現実なのだ
本当はお父さんおめでとう!
っていうはずだったのに
どうして現実は厳しいのだろう
お父さんは静かに涙を流し
一言「痛い」とか細い声で告げ
後は頷くだけだった
麻酔が完全に抜けてないのだろう
私は手術成功おめでとうの代わりに
お父さんお疲れ様
ゆっくり休んでね
と泣きながらお父さんに告げた
お父さんは頷いてた
集中治療室は長時間いる事が出来ないので
5分くらいでナースに
面会終わりと言われる
お父さんの手を握りながら
「お父さんまた明日ね」と告げ
集中治療室を後にする
私はずっと泣いてた
お父さん不安にさせてごめん

病院を出て家に帰る
帰りにお母さんに八つ当たりをしてしまいお母さんを傷つけてしまった
お母さんも私の前ではそんなに泣かないのに辛いといい泣いていた
誰も余裕がない
すれ違う他人がみんな幸せそう
こんなに他人を羨ましく思ったのは初めてで
私にもあんな当たり前の生活があったのにと遠い過去のように思えた