ウィーンの美術史美術館で観た絵画の記録
「旧約聖書」の「創世記」に登場するバベルの塔を主題にブリューゲルが描いた作品。
大バベルはウィーンの美術史美術館に、
小バベルはロッテルダムのボイマンス・ファン・ベーニンゲン美術館に所蔵されている。
「創世記」には、同じ言語を話す人々が自分たちの名声を高めるとともに、
人々が他の地に散逸しないようにとバベルの塔の建築を始めたと記されている。
神の領域まで手を伸ばす塔を建設しようとしたが崩れてしまった(神に壊された)。
高慢な者は罰を受ける物語と解釈されており、
人間がどれだけ努力しようとも終いには無益に帰してしまうことを示唆している。
バベルの塔は意図的にローマのコロッセオに似せて描かれている。
これは、キリスト教徒にとってコロッセオが尊大さと迫害の象徴だったから。
バベルの塔は、カトリック教会と当時のネーデルラントで広まりつつあったプロテスタントとの間の宗教的論争の象徴にもなっていた。