秋の気配 | 交心空間

交心空間

◇ 希有な脚本家の創作模様 ◇

 夕方、雨がぱらついた。すっかり日が暮れて、ふと気づくと虫の鳴き声が聞
こえるではないか。クーラーを消して窓を開けて耳を澄ます。


 チリリチリリ……チリリチリリ……


 秋の虫である。昼間はまだセミが鳴いていたし、夜も暑さが残っているのに、
虫の世界はすでに秋の訪れを漂わせている。


 ──微かな風情で気持ちだけは涼しくいこう。