交心空間

◇ 希有な脚本家の創作模様 ◇


テーマ:

 塾生のひとりに18歳の青年がいます。
 昨年12月からひとつの作品を書くために、「ネタ集め」から始めて「人物像の絞り込
み」「テーマの選定」「物語背景の吟味」「エピソードの検討」「ストーリーの組み立て」、
そして「執筆作業」といった(プロがとる)考え方・創作過程に挑んでいます。彼の案に
私が云々・指導することで、作家とディレクターの「実践的二人三脚」を想定した進め方
です。彼が、学業というノルマを抱えているのと、業界の考え方を知らないので、それこ
そ3歩進んでは2歩下がるくらいのペースですが、現在は構成段階(執筆前に決めるべき
こと)の半分に差しかかったところでしょうか。


 ここ一ヶ月、ある設定について彼がいくつかの案を考えてきましたが、私はことごとく
「ダメ出し」をしてきました。彼の案に、ダメな理由(矛盾点の指摘やコジツケである説
明)を告げたり、浮かんだ疑問をぶつけることで(彼自身にそれらを)気づいてもらって
いました。それでも毎週のようにまた別の提案をしてきましたが、私が求めるものに到達
する(ピンとくる)ものはありません。
 その設定は「ごく自然の流れを利用したもの」です。逆に、そうだからこそ難しく考え
てしまい、その根拠を設定するために更に難しくしていく……。「発想の観点」の置き所
をミスったばかりに、悪循環に陥ったのでしょう。意外にも気づかない盲点が、彼を苦し
めた一ヶ月でした。
 そろそろ限界かなと思い、「私の考えでどうか」と逆提案しましたが、今度は彼が「そ
れも踏まえて、もう一度検討してみます」との返信でした。気骨のある言葉に驚きました
ね。「書かされる」のではなく「書く」、自分の作品なんだからという「自我のめざめ」
です。大事なのは、「私が言ったから正しい(ベストの選択)か」です。向上心から出た
反骨精神は立派であり、成長していくうえで最も必要なものです。(ただし、「自分の考
え」だけに固執すると、これもマイナスの成長になります)


 この作品に関して、彼も私も長期戦は覚悟のうえですが、そんな経験がない彼にとって
は、「ダメ出し」「当初の思いとの相違」「疑問の渦に揉まれる経験」「舞い降りない閃
き」たちに、ウンザリしているのではと心配し始めたころでした。しかし気骨のある言葉
に加えて、私の心配を気遣うように「全然大丈夫です。むしろ、アイデアをボツにされる
ことに慣れてしまって、そこが問題となっているような気さえします。より、気を引き締
めて、『一案入魂』で頑張ろうと思います(彼のメールより抜粋)」とありました。
 一安心です。そして彼が発した『一案入魂』という言葉に、「ユニークだなあ」と舌鼓
を打ちました……。


 彼のHN(ハンドル・ネーム)は「ライ麦畑」といいます。
「へこたれるなよ、若ゾウ!!」

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