高野山大学図書館見学 | 日刊「きのこ」 skipのブログ

高野山大学図書館見学

キリスト教聖書
イスラーム教コーラン
では、仏教聖典は?

これが実にたくさんある。
高野山蓮花院のご住職によれば、
「お経」は世に8万ほどあり、
1日ひとつずつ読んでも、
200年以上かかる、
つまり一生かけても
すべて読めることなどない
のだそうだ。

でも、あらん限りの経典を
一度見てみたいと思い、
高野山大学図書館
行ってみることにした。
図書館は一般にも
開放されて利用可能だ。
蓮花院のご住職が、
電話をかけて案内を
頼んでおいてくださった。


高野山大学のHPには、
次のように書かれている。

高野山大学図書館の創設は明治31年(1898)。現在の図書館は昭和4年(1929)完成で、創建当時は『東洋一の図書館』と称されました。設計は、京都帝国大学建築学教室教授の武田五一博士(1872~1938)で、施工は清水組。鉄筋コンクリート3階建(書庫は鉄筋5階建)で、高野山で最初に建造された西洋建築物です。

昭和4年に「東洋一」というのは、
話を盛ったのであろうが、
まぁ、風格のある建物ではある。

日刊「きのこ」 skipのブログ-正面


ところがアーチの正面入り口は、
閉ざされたままで使われていない。
現在の入口はウラへまわってコチラ。

日刊「きのこ」 skipのブログ-入口
これは解りづらい。 まるで秘密の入口だ。
(大学の職員が親切に案内してくれた。)

入口を入るとロビー、
いかにも大学の古い建物という感じ。

日刊「きのこ」 skipのブログ-1Fロビー

図書館の受付は2F。 階段をあがる。

日刊「きのこ」 skipのブログ-階段室

石の階段の埃のにおい。

日刊「きのこ」 skipのブログ-閲覧室

閲覧室とカウンター、
照明がモダニズム。

閲覧室から書庫に入る。
開架式なので学生も 自由に入れる。

日刊「きのこ」 skipのブログ-大蔵経

で、これが大蔵経。
またの名を一切経。
5000あまりのお経を集めた
お経の全集だ。
向こうの棚は続蔵経。

一目見たかったのは、
こういう光景だ。
聖書一冊で収まるのに対して
なんとたくさん書かれたことか。

玄奘訳の般若心経が、
どこにあるか探してみる。

日刊「きのこ」 skipのブログ-玄奘訳 般若心経

訓点もついているし、
割注もある。

日本のお経は、漢訳仏典、
つまり中国語である。


原典にあたる梵語との
対訳も載っている。

日刊「きのこ」 skipのブログ-梵漢般若心経

ぼくたちは日ごろ、
意味も解らないままに、
お経を唱えるのを聞いているが、
ちゃんと意味の研究もされている。


でも、お坊さんのみんなが、

お経の意味を理解して、

お経を唱えているわけではない。


哲学宗教の違いである。

研究せずとも信仰はできるのだ。

……、

でも、あまりにも研究

等閑視されていないか?

ぼくたちはあまりにも、

お経の意味やなりたちを、

なおざりにしてはいまいか?

信仰のために研究が邪魔者に

され過ぎていないだろうか?


それで結局、

信仰もいいかげんな、

「無宗教」を名乗る大人が多すぎないか?


さらに、科学信奉の名のもとに、

お経科学的解明も、

無視されているのではないか?


笠井量雲師のブログ では、

たまにお経が解説されており、

非常に有り難いものになっている。

……。


ちょっと話がそれたので、

図書館に戻ろう。

こちらは台北版チベット大蔵経


日刊「きのこ」 skipのブログ-台北版チベット大蔵経


中身は、こんな感じ。


日刊「きのこ」 skipのブログ-チベット大蔵経の中


もちろん、ぼくにはまったく読めない。

でも、本で見たことなかったので、

ただ、見てみたかっただけだ。


書庫の中の急な階段をあがる。


日刊「きのこ」 skipのブログ-4F密教大辞典


書庫の4Fは密教関係の書籍。


むきだしの鉄骨が交錯し、

あちこちに頭上注意の表示。


密教大辞典なんてものもある。

「空海」をひいてみる。


日刊「きのこ」 skipのブログ-密教大辞典 空海

「空海」の「海」の字が、

本当は異体字なのは知らなかった。

もちろんコンピュータフォントにない。


字が違っても、

お大師さまは怒ったりしない

…はずだ。


ところで、この書庫は、

実に変わった作りで、

1Fから5Fまで、

ちゃんとした床や天井がなく、

吹き抜け構造になっている。


書架は1Fから5Fまで、

ひとつづき。

書架の間に、鉄骨が渡され、

その上に簡易の床が張られているだけ。


日刊「きのこ」 skipのブログ-吹き抜け構造

5Fから1Fの書架まで見えて、

ちょっとしたスリルも味わえる。

写真でおわかりいただけるだろうか?



蓮花院の紹介をうけていたので、

ふだん人の入れない、

貴重書の書庫にも入れていただいた。


日刊「きのこ」 skipのブログ-貴重書庫


こういう書庫がいくつもあって、

中には貴重書が雑然と(失礼!)

平積みされている。

貴重書というより、未整理の書籍だらけ。


貴重書というのは、ほとんどが、


日刊「きのこ」 skipのブログ-手書き本1

こういう手書きの本で、

高野山に学んだお坊さんたちが、

書き残したものだ。

どこの大学でも、手書きの古い本は

貴重書扱いになる。


中身を読み解いて、

整理してデータ化するのには、

手が回らないのが現状だそうだ。


日刊「きのこ」 skipのブログ-手書き本2


で消し線のように書かれているのは、
固有名詞をあらわす。
と、学生時代に
中国文学の先生から教わった。

と、まぁ…、
いろいろなことを、
思い出したりしながら、
高野山大学の図書館を
見学させていただいた。

先にも書いたとおり、
一般にも開かれているので、
もっともっと活用されるように、
なればいいと思った。

大蔵経、いわゆる大正蔵は、
東大でデータベース化されているが、
公共図書館には常備されていても、
けっしておかしくないのに、
と、思った次第であった。


以上、
高野山大学図書館見学記
おしまい。


長々とした文章になってしまいました。
もっとおもしろい軽いものを書かないと
いけませんね。
(海より深ーく反省 byトシちゃん)