三界遊山

芸術・経済・仏教etc.を横断する教養娯楽ブログ

文の起こるに、必ずや理由がある。天晴朗なれば、すなわち気象を示し、人感応すれば、すなわち文筆をとる。故に易経、老子、詩経、楚辞、いずれも心中動き、紙上にしたためられたのである。聖俗は人を異にし、古今は時を異にするといえども、心の憂いを晴らさんとすれば、己れの志を述べずにいられようか。三界は安きことなく、なお火宅の如し。しかしまた火は自ずから涼しともいう。いま、このブログを名づけて『三界遊山』とする。ただ憤懣の暑気を払うのであり、ゆめゆめご高覧を望むものではない。でも、ポチしてくれたら嬉しいな。

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大方の予想に反して当選するわ、当選直後にデモが起こるわで、何かと話題である。ひとつ、占ってみることにした。

未済の升に之くを得る。 意外にも……といっては申し訳ないが、良い卦である。未済を現状、升を大統領就任後と解釈する。

トランプ

未済は既済と対をなす卦である。陰陽の爻が完璧なバランスをとる既済は、完成を意味する。 陰陽の爻が同数でありながらバランスを欠く未済は、未完成である。トランプ氏の現状にはふさわしい。

ここが易の面白いところで、既済よりも未済の方がめでたい卦なのである。一旦、完成されたものは崩壊を待つしかないからだ。

しかも之卦は升。 上昇の「昇」であり、氏の望み通りに昇り進むことができる。ただし卦辞には、「用て大人を見る」とある。就任後、政治経験者の忠告に耳を傾けるのが重要である。

また物事を強引に進めず、こつこつと努力を重ねること。これらを守れば「元いに亨る」、すなわち吉である。

誤解のないように申し上げておけば、私としても、氏の大統領就任を好ましく思っているわけではない。

易が天意に背く者へ吉を告げぬとするならば、「筮した結果は、ひとまず、われわれも安心していいものでした」と述べるよりほかはない。

しかし上記が守られなければ、どうなるのか? 升の互卦は帰妹であり、彼にとっても世界にとっても「往けば凶」となる。

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『ゴッドファーザー PART II 』(1974)に上院委員会のシーンがある。査問を受けるフランキー・ペンタンジェリ(マイケル・V・ガッツォ)のモデルは、明確にジョー・バラキであろう。

ただバラキの組織内での序列は、それほど高いものではなかったようである。同じく査問を受けるウィリー・チッチ(ジョー・スピネル)と同程度か、それ以下であったかもしれない。

作品の終盤、トム(ロバート・デュヴァル)との会話の中で、フランキーが歴史研究に熱心であったことが示される。この辺は、マランツァーノの人物像を下敷きにしているようにも思える。

同作品に登場するユダヤ系の老人、ハイマン・ロスのモデルは、マイヤー・ランスキーである。演じたリー・ストラスバーグは、それほど背も高くなく、なにより静かな演技には痺れさせられた。

もっとも生粋の舞台人であるストラスバーグは、撮影に慣れておらず、ついつい抑え気味の演技になったという話ではあるが。

マイヤー・ランスキー

ランスキーはキューバへの投資を進めていたが、革命により頓挫させられた。 また晩年はイスラエルでの永住を希望していたものの、帰化申請を拒否されており、ロスの人物像とぴったり符合する。

ヴィトー・コルレオーネ(マーロン・ブランド)のモデルについては、フランク・コステロという人もあれば、ジョー・ボナンノという人もある。ロス=ランスキーとの関係を見れば、ルチアーノにも似ている。

原作 『ゴッドファーザー』 (ハヤカワ文庫) を読むと、五大ファミリーによる合議制を導入したのはヴィトー・コルレオーネとされており、チャーリー・ラッキーとの共通性はますます高くなる。

とはいえ、複数の人物の合成と考えるのが妥当なようである。



若きヴィトー(ロバート・デ・ニーロ)と若きロス(ジョン・メグナ)との出会いのシーンである。 本編ではカットされているが、ここでロスの本名が「ハイマン・スチャウスキー」であることが示されている。

ランスキーと同じくユダヤ系ロシア人のようだ。 そればかりではない。 ランスキーの本名はスホフラニスキー Suchowlanski であり、スチャウスキー Suchowsky に酷似しているのである。

お調子者のピーター・クレメンツァ(ブルーノ・カービー)が、「呼びにくいから名前、変えちまおう。 ジョニー・リップスがいいや」 とか、いい加減なことを言っているのが笑える。

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喜劇人に花束を (新潮文庫)『喜劇人に花束を』(新潮文庫)には著者である小林信彦が、1973年暮、藤山寛美の楽屋に訪れたという記述がある。

寛美は、「『ゴッドファーザー』、ごらんになりましたか?」 と唐突な質問を寄こす。 マッサージ台の上で男が撃たれるシーンを、話題にしたがっている様子である。

下に動画を埋め込んでおく。モー・グリーン(アレックス・ロッコ)がマッサージ台に寝ていると、そこへ男の後姿。ソフト帽を被っている。

訪問者を確認するため、モーが眼鏡をかける。途端に撃たれ、眼鏡のレンズが割れて血が流れ出る。このシ-ンの仕掛けについて寛美は、「眼鏡に電気が通ってたと思うんですわ」と主張する。

「『ゴッドファーザー』、ごらんになったのですか?」
と、ぼくが訊きかえした。 (こんなに忙しいのに)という言葉が略されていた。
「いや、観とらんのです」
「じゃ、どうして……」
「みんなが、その場面をフシギやいうとるんで、考えたんですわ。どう考えても、ほかに方法あらへん」

小林が寛美の楽屋を訪れた日付は、12月20日。『ゴッドファーザー』が日本で公開されたのは、同じ年の7月15日である。映画がロングランであったことと、数ヵ月の猶予がありながら一度も舞台を抜けられない、当時の寛美の忙殺ぶりとがわかる。

世間とは隔絶しながら、世間と些細な会話でつながりを持ちたい寛美の孤独を小林は感じたという。その些細なとば口が『ゴッドファーザー』なのだから、いかに話題作となっていたかもわかる。

もう一つわかるのは、劇団員数名が知恵を寄せ合っても解けない、このシーンの仕掛けの巧妙さである。 寛美に伝えられないのは残念だが、実は電気を使ったものではない。

このシーンは、ワンカットで撮られていない。ソフト帽の男がマッサージ部屋に入ってくるとき、モーが取り上げるのは普通の眼鏡である。次にアップになったときには、特殊な眼鏡に替えられている。

眼鏡のつるには2本のチューブが隠されている。一方のチューブには極小のプラスチック弾が詰められており、これを圧縮空気で発射させて飴ガラスのレンズに当てる。つまり、レンズを外側からではなく、内側から破砕するのである。直後、もう一方のチューブから血糊が送られ、噴き出す仕組みになっている (ハーラン・リーボ 『ザ・ゴッドファーザー』 ソニー・マガジンズ 参照)。



モー・グリーンのモデルとなった人物は、ラスベガスを大歓楽街に変えたバグジー・シーゲルである。映画とは違って、彼はマッサージ台の上ではなく、愛人宅のソファでくつろいでいたところを狙撃された。 ただ、眼球を吹き飛ばされた点は共通している。

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