長く引子モーリーとして暮らし
だいすきだったラジオ
だいすきだった新聞
だいすきだったライヴ遠征
だいすきだったじぶんの車での爆音添い歌
ぜんぶ閉じ込めて
ぼんやり生きていた
運転免許証は更新時に外出できず失効し
此の先何処へも行くことは無いんだろうな
住んでいる場所
駅のない町
バス
苦手でよくわからない
だったのに
乗ってみた
系統
路線図
時刻表
スマホでわかる![]()
仕組みがわかる
と
なんて便利なんだ![]()
町内での移動も便利になっていた
時刻表の時間さえわかって
バスの数字がわかって
何処行き㌨か
わかれば良かったのか
単純なことだった
車高が高く窓は大きく
紅葉がこんなに綺麗だったなんて
運転している頃は見過ごしていた








此れから
雪の季節
窓から見る一面の白雪は
きっと雪かきの苦労があっても
綺麗だと見惚れるはずだ
長い冬のあと
春になって
初夏になって
山々が変化してゆく様を
並んで眺めることができる視線
登れなくても
ざわざわ
声がする
いらっしゃい
元気だったかい
また来てね
踏みつけて登らなくても
こんなふうに山を愉しメ〜ル
あちこちに無人の小さな神社があったり
海が見えるところで虹がかかる
熊たちの生息域を侵略し
略奪して生きる人類は
秋の彼らの聖域を
縄張りを
尊重しながら山を守らなければ
共存できずどちらかが滅ぶ
陸上自衛官は熊に襲われず山で訓練しているらしい
武装集団
実弾訓練を経験している人類の殺気
ひとめで
やべぇコイツら
こえぇぞ
逃げろ
判断可能な知能を持つ熊
熊たちと陸自は共存できていルンだって
だから人類は集団をつくり
武装したがルンだな
ハンターさんたちや
林業従事者
陸自が
守って自衛したら良いのかな
自衛隊は戦争のためではなく
国民を守るために在る
日本国中
認識が変わる
無事故で誰の犠牲も出さずを目指して
山の有事に
訓練として派遣されたら陸自は怒るのかな⋯(・_・)
バスが脱線した
もう冬が来た
あともう少しで
雪に閉ざされてゆく山で
飢えた熊が自然淘汰され遺体は同族の糧になる
春まで生き延びる個体は激減するかもしれない
子熊も生まれにくいだろう
生まれても冬眠明けに
飢えたオスに喰われる可能性が高い
来年は猛暑にならず
山が豊かに実ると良い
人類が山との距離を
もういちど
考え直し
過疎地を自然に返し
再編してゆくべきなのかもしれない
バスは便利だし熊にも襲われない
でっかいから
襲えない
山道を安全に快適に移動できる
運転手さんの担い手は足りていない
ネコバスのいない現在
ひとがふえて
運転手さんがふえて
自動運転バスがあたりまえになるまで
まだもう少しかかる
此の過渡期に
どうぞ路線を守る担い手が
増えてくださるようにと
祈るばかりである