こどものころの夢は
バレリーナ
ピアニスト
幼稚園か保育園の先生
漫画家
かなえられたものが
ふくまれていることに
きづかないふりをする
中学生のとき2年生になってすぐ
絵ばっかり描いていて気持ちわりぃ
だれかにいわれた
そのことばで
ひとまえで漫画絵を描くことは
よくないことだと決めた
それまでずっと
いちにちいちまい
仕上げまで描けなくても
ノートいちまいに
プロットを作ってキャラを描いていた
まいにちだから
けっこう
いっぱい
ほとんどが
描きかけ
つぎからつぎへと
浮かんでくるものを
メモしてゆくのでせいいっぱいだった
それはおもに
学校の短いやすみじかんのこまぎれに
つみかさねたもので
家では
読むばかり
学校で描けなくなって
同人誌を知って
かくれて
描けばいいのか
と
思ってまいにちのほほんと
家で絵を描くようになって
漫画もどきも
描くようになって
現実から遠いところにいたので
学校でいじめというか・・・
はみだしっ子
状態だった
混ざれなくて
大勢に
溶け込めなくて
それなのに
同人誌の世界にも馴染めなかった
どこにいても
ひとは
群れて
ひとりきりで
赦される場所が少なすぎた
じぶんのなかの可能性には蓋をして深いところに沈めた
ひととちがうことをするより
ひとのなかにまいぼつしたかった
こせいてきだといわれることも
へんじんだといわれることも
えがうまいといわれることも
ひとつずつ
なにか鋭い刃物で切りつけられているようで
とても痛かった
夢をあきらめないで
あきらめたのではない
夢ではなかった
したいことは
みつかっていなかった
だれかが喜ばないと
感謝されないと
褒めてもらえないと
なにもできない
でも
それがつみかさなってゆくと
重くて
苦痛
ただ
いまは
その経験がすこしだけ
オシゴトにつながっていて
文字を組み合わせたり
ことばをならべたり
絵を描いたり
役に立っていて
シロートながら
ありがたいのかなーーって
考えられたりするようになった
でも
あの
ひとこと
おまえになんでいわれなきゃならんのだ
言い返せばよかった
ではおまえにはなにができていばっていられるのだ
叩きのめせばよかった
あのころから
猫っぽかった
ほんとうに驚いてしまうと
凍りつく
たとえば目の前にじぶんを轢いてしまうだろう車があっても
動けない
あのとき
あのことばを
放ったひとは
どれほどご立派になられたことでしょう
ふと
思い出してしまいました
きょうちょうせいのないじぶんを
戒めるための
ひとこと
ありがたかったのでしょうけれども
永遠に感謝はしないにゃぁ・・・・