女の子と付き合った経験はそれなりにあったし。
何故か彼女と呼べる存在も欠かしたことは無くて。
でも童顔で、背も低く、ぽっちゃり体型。
モテとは無縁だと自覚はあった。
だからこそ。
ただ毎日見かけるだけ。
話したことも無い。
そのひとに。
惹かれている自分が信じられなかった。
いつも誰かのおせっかいや、相手に押し切られて付き合いが始まる。
どうしよう。
話してみたい。
声が聴きたい。
どうしたらいいのかわからない。
不思議なことに浮かれた気分のわりに。
妙に仕事がはかどった。
残業も無く、いつもより少し早く退社して、また逢えないだろうか。
ぼんやり歩いていた。
駅前で。
ありえない光景を見る。
まっすぐ僕を見つめているひと。
彼女だ。
なんでーーーー???
ぽかんと口を開いたまま驚きを隠せない僕に。
「よろしければお食事でもご一緒出来ないでしょうか」
えーーーーーー??????
「はぁ・・・・」
自分の声があまりにも間が抜けていたことに恥ずかしくなって。
「はい。是非」
凛々しく言い直してみたりして・・・・。