山口創先生のfacebook投稿をシェア 前回のつづきです
今回は、①性別と年齢の違い、②動物へのタッチと人へのタッチ、③親しい人とプロフェッショナルの効果の違いの3点を紹介します。
① 全体的な効果としては男女差はありませんでしたが、疲労については女性クライエントの方がタッチの効果は大きかったです。
年齢についても全体としての違いはありませんでしたが、個別に検討すると中年のクライエントの血圧低下の効果(リラックス効果)が最も大きいことがわかりました。
② ラットなどの齧歯類、羊や猫など様々な動物へのタッチの効果について検討された研究の結果を再分析しました。
動物を撫でたりくすぐったりして触れた研究結果です。
全体的に見ると人へのタッチの効果よりも、人が動物に触れた方が動物への効果が大きいことがわかりました。
効果はオキシトシンの分泌や、神経を介した脳への効果によりリラックス効果が生まれました。
(※山口:人の場合、触れる相手との信頼関係などを前頭葉で分析するため、タッチの生理的効果が小さくなることが知られています)
③ 成人を対象にした研究では、親しい人のタッチとプロのタッチによる効果の差はほとんどありませんでした。
ただし新生児では、親しい人のタッチの方が効果は大きいことがわかりました。(※山口:身近な人のタッチでも十分効果があるのは素晴らしい結果だと思います。すでに関係性が築かれているため、触れ方が多少下手だとしてもそれを帳消しにしてくれるのでしょう)
以上でこのシリーズは終わりです。
もちろんここで紹介した方法が絶対的に正しいというつもりはありません。
科学的なエビデンスを参考に、それぞれのクライエントに合わせて最適な触れ方を共に築いていくのが、正しいタッチのあり方なのだと思います。
詳しく知りたい方はNature Human Behaviourに掲載文があります
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イラスト:にしかげ しほ
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