戸隠 2023 マップが大きくなっちゃった! | 全日本スキー場パンフレット原色図鑑

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                                   日本全国のスキー場パンフレットを紹介します

パンフの仕様
 様式:中綴じ16ページ
 寸法:211mm×148mm
 印刷:4色
 用紙:カラー再生紙 77.08g/㎡(実測値)
 67kg(四六判)と思われる
 
スキー場公式サイト
 https://www.togakusi.com/ski/


 2020シーズンより経営が変わってから、レトロな雰囲気のイラストが続いている。

 このシーズンは前シーズンまでのアーリーアメリカン調ではなく、日本の昭和30年代のようなイラストである。
 紙質は例年通り若干ガサついた感じの再生紙。アースコンシャスを感じさせる。

 

 さて、2021シーズンのレビュー(一番下にリンクを置いておきました)において、コースマップがちょっと小さいことを指摘したところ、なんと2023シーズンから見開き全面の大きさになった。

 

 左が昨シーズン、右が今シーズンである。
 

 

 一気に大きくなって、情報がすごく見やすくなった。
 そして、デザインの上でも素敵な仕掛けがある。

 

 コースの背景に空撮写真を使うケースはよくあって、左の昨シーズンもその一例である。

 今シーズンも同様に空撮写真を用いているが、細かい工夫が施されている。

 スキー場サイトにアップされているゲレンデマップ(ゲレンデを英語表記すると、Gelaendeとなる)を大きなサイズでお見せする。

 

 

 まず指摘しておきたいのは、スキー場エリアがわかりやすくなっていること。エリアの向こう側の山並みの部分は濃度が薄くなっている。これで、遠近が強調されている。

 更に、文字などが見やすくなるように、風景写真にわざと粗い加工が施されている。専門的な言葉で言えば、粗いスクリーン線数で網掛けしたような感じになっているのである。上のマップの第5ペアリフト付近を拡大したのが下の画像。

 

 

 風景写真の部分はあたかも製版したようなまだら模様(ロゼッタ模様)になっているのがわかるだろう。そして、「第5高速」とか、スキー場の境界を表すピンクの帯などは、普通のベタ色になってる。
 となると、実際の印刷はどうなっているのか、気になるところ。第5高速の降り場付近を更に拡大して、比べてみたのが下の画像。左がパンフのスキャンで、右がサイトに上がっていたマップである。途中フェードさせてある。

 

 サイトのマップで網点のように見えるのは、実際の印刷ではその4~5倍ぐらいの細かさの網点で表現されている。

 と、マニアックな視点で語ってしまったが、こういう細かい仕掛けがされていることだけはわかってほしい。

 

 もう一つ、今シーズンの新機軸は、ページのフチにある小ネタ情報。マップの次のページはこんな感じ。

 

 

 このページ以降も、こういった小ネタが並んでいる。

 雑誌では、投稿情報や小ネタをページの縁に縦書きで書くことがあるが、パンフレットでは初めてではなかろうか?こういう遊び心があるのもまたいい。

 

 よく見ればよく見るほど、味わいのあるパンフレットである。

 


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