夏油 2018 紙厚が語りかける | 全日本スキー場パンフレット原色図鑑

全日本スキー場パンフレット原色図鑑

                                   日本全国のスキー場パンフレットを紹介します

パンフの仕様
 様式:中綴じ(16ページ)
 寸法:182mm×257mm
 印刷:4色
 A2コート紙(?)
 157.5g/㎡(実測値)
 135kg(四六判)と思われる

スキー場公式サイト
 
http://www.geto8.com/


 このスキー場は、これ以外に、観音折りの普通のパンフレットも制作している。
 それだけに、なぜこのパンフがあるのかよくわからないのだが、珍しいので紹介したい。

 まず、目を引くのは紙厚。ページをめくる重さが感じられていい。
 用紙の種類というか、質感は言葉では伝えにくいのだが、光沢の感じやインクののり方などからして、王子製紙のOK嵩王という用紙に似ている。
 簡単に言えば、絵本っぽいと言えばいいのだろうか?

 ページをめくると、こんな感じ。



 もう、顔まで雪煙が上がるほどのすごいパウダースノー、いわゆる「顔パウ」状態なのだが、コピーがまたふるっている。その部分を拡大してみよう。



 どうですか、この「知られていないのは、他の人に知られたくないようにしているからだ」というような口ぶり。しびれるコピーである。

 続いてのページはこちら。



 いきなりの気象解説である。前のページで感性に訴えかけ、このページでは理論的に雪質について解説している。この緩急ぶりもいい。
 次のページはトレイルマップ。一部は、英語交じりである。
 

 次のページは、コースの滑走風景。
 ややわかりにくいかもしれないが、ミニチュア撮影っぽい効果になっている。
 手前のゴンドラや奥側の斜面はぼかして、滑走者のところだけ、狭い範囲でピントが合っているように見せることで、模型っぽく見せているのである。



 後半は、実用的な情報が並ぶ。
 まずは料金表などのページ。



 続いては給食施設の紹介。

 



 引き続き、宿泊施設の紹介。




 アクセス情報は、空港を意識した作り。とくに海外からのアスセスを重視しているようである。



 そして、裏表紙はこんな感じ。「豪雪」という文字が潔い。



 全ページ紹介しないが、雰囲気は掴んでいただけたであろう。
 それぞれのページが、しっかり作られていて、大変いい。
 あえていえば、情報を伝えるためのページは、文字部分が多すぎる。やむを得ない事情もあるが、情報を絞ってスッキリ見せてもいいと思う。たとえば、アクセス情報のページで東北新幹線の時刻表が載っているが、ここはなくてもいいだろう。

 なんにせよ、紙厚で質感をもたせるとともに中身も充実したパンフをつくる、このスキー場の意気込みを感じた次第である。