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健康で文化的なインドア生活

テレビが友達。たまに外出して観劇。

常々思っているのですが、再演は初演を超えることができない(海外ミュージカル限定)

観る側の理由としては、やはり最初のインパクトの大きさにはかなわないということ
ロミジュリもエリザベートもスカピンも、再演もそれぞれにいいのですが、やはり初演の感激を超えるほどの衝撃はありませんでした。
ミーマイは初演を観たことはありませんが、たぶん初演が一番な気がします。

宝塚オリジナル脚本は別です。ベルばらは「池田先生がよく怒らないな(^_^;)」というぐらい再演のたびに脚本が新しくなり、もはや原作とは別物と化してますし、そのたびにニューバージョンとして観れますから。(個人的にはシンプルに作られた初演の脚本が一番いいんじゃないかという気はしますが。)他の作品も、もともと劇団の演出家が宝塚に合わせて書いているせいか、再演を重ねてもそれぞれによさがあるように思います。

海外ミュージカルの場合、版権を買って輸入してくるぐらいですから、作品自体の魅力がまず大きい
そのため、特に初演は成功させようという気迫や意気込みを強く感じます
劇団もベストなメンバー(組)に上演をあてているでしょうし
成功した初演の後の再演はそれだけに難しいとも思うのですが、やはり初演を超える再演には出会ったことがない気がします。

エリザベート』初演の衝撃は、今でも覚えています。
なんといっても、すべての配役がパーフェクト
一路さんは退団公演でやっとはまり役に出会えたな、と思いました。冷たく硬質なトート役がぴったりで、いい人を演じることが多かった一路さんの本来の持ち味はこっちだったんだなと思いました。
花總さんの可憐さと気品。
今まであまり大きな役にあたることがなかった朱未知留さんをゾフィーにあてた英断!
轟さんのルキーニははまり役を超えて、ルキーニそのもの(カフェの腰エプロンのかっこよさといったら!)。
皇太子ルドルフ役の香寿さんは、歌はもちろん苦悩する演技が抜群。
そして高嶺さんのフランツが成功を決定づけたと思います。高嶺さんは本当に芝居がうまい人でした。歌はそれほどうまい方ではなかったですが、母に逆らえない優しさや弱さを演技で何とも言えず表現されてたと思います。
マックスの古代みず希さんもよかった。あんなにイケメンで渋い脇役、また出てきてほしいです。
雪組一人一人がこの作品を創りあげよう、成功させようというパワーが圧倒的ですごかった。
すべての配役が本当に絶妙で、『エリザベート』見本版を創り上げてしまった。演じる側にとっては、あの演技をなぞっても逆らってもどちらもしんどいでしょう。それだけに再演は本当に難しいと思います。

そして『ロミオとジュリエット
星組選抜メンバーによる初演。これもオープニングからその圧倒的な世界観にひきこまれました。
柚希ロミオのピュアさと伸びやかさ。紅マキューシオの狂気。
そして成功の立役者は、凰稀さんと涼さんだったと思います
凰稀さんのティボルトは、再演ティボルトたちの追随を許さない色気と殺気で鮮烈でした。
涼ベンヴォーリオは、歌では未涼ベンヴォーリオや礼ベンヴォーリオに劣るものの、柚希さんとの関係性がこの配役にはまっていたのでしょう、包容力あるベンヴォーリオでした。
ティボルトとマキューシオは個人的には凰稀さんと紅さんがダントツ№1ですが、ロミオとベンヴォーリオだけ見ると、それぞれの役者さんに魅力があります。しかし、ロミオとベンヴォーリオ2人の関係性からみると、柚希・涼ペアを超える配役はなかったように思います。ひとつの配役だけでなく、誰と誰を配役するかというバランスも大事なんですねえ(再演版の柚希さんは下級生に囲まれたロミオでちょっとかわいそうなくらい苦しそうでした)。
真風=死と、礼=愛は他が考えられません。
欲をいえば、夢咲ジュリエットの歌唱力が再演ぐらいのレベルに仕上げてほしかったのと、乳母というには白華さんがかわいすぎたことぐらいでしょうか。

スカーレット・ピンパーネル
そのころ宝塚からは足が遠のいていたのですが、原作を読んでいたこともありライトな感覚でふらっと初演を観に行って、「なんだこれは!」と衝撃をうけて帰ったのを覚えています。
パーシーとマルグリットは、星組版も月組版も役のつくり方が似ていて、甲乙つけがたい。
しかし、この作品の成功はひとえに柚希さんの賜物でしょう!
ハスキーヴォイスがショーブランの役柄によく合っていて、悪役が光るとやはりイイですね!


…と、なぜ再演に思うことをブツブツつぶやいているのかといいますと、星組新トップお披露目公演にちょっと思うところがあったわけでして。
紅さんのパーシーはよく似合うと思いますし、ファンの方にとっては思い入れある役ということでわかるのですが、マルグリットとショーブランがあまりにも物足りない…(予想ですが)。
ショーブランは礼さんか、七海さんか、それともWキャストなのか、でもどっちも弱そう…。
個人的には礼さんは宝塚より外部女優向きだと思います。紅さん短期政権で、その後礼さんもサクッと短く務めあげて外部でミュージカルをやるというのはどうでしょう?ミュージカル界で頑張っておられる元トップさん達も高齢化してますし、歌えて女役がやれるかわいい人は少ない(最近の男役さんは高身長だから、男性俳優と組むのはなかなか厳しい。だから安蘭さんと花總さんの二人勝ち状態なんですよ)!
マルグリットは綺咲さんでしょうが、フランスの人気女優?「ひとかけらの勇気」を歌うんですか?いやいやいやいや、あの歌唱力では民衆の気持ちは動かないでしょう…(観客の気持ちも)(-_-;)
それでも紅さんありきで、上演するんですか?せっかく初演・再演と好評を重ねてるのに、作品の評判を落とすことになりませんかね?プレお披露目のインドのヤツはお二人の雰囲気に合ってそうだし、面白いんじゃないでしょうか(小柳先生がうまく味付けしそうだし)。でもスカピンはなあ…。
綺咲さんは可愛らしいですが、私にはそれ以上の魅力がどうにもわからず、娘役トップとしては役不足というか人事ミスとしか思えません。容姿も中途半端、実力も中途半端、ファンの方には申し訳ないですが、歴代の娘役トップで最も謎な人事です。娘役の人材不足としか思えません。
(石丸さん主演のスカピンと時を合わせたかのような宝塚再演、合わせて決まっていたかのような北翔さんの退団はともかく)紅さん満を持してのトップ就任なら、三拍子そろった娘役を迎えてそこそこ長期に頑張ってほしいと思っていたのですが、綺咲さんでは短期政権で終わりそうな気が…。
しかし、先々代の娘役トップも可愛い容姿とスタイル以外は「…(-_-;)」な方だったので、次の星組娘役トップもこれでいいんですかね?紅さんと2人アイドル的な組って感じで。(でも先々代はトップ就任後もめきめき実力を伸ばした稀代の男役トップがいたから救われましたが…。リアルタイムでは知らないのですが、大和・陽月コンビが近いイメージ?)

また、宝塚から足が遠のいていきそうな気がします…。

2016年宝塚歌劇 雪組公演 『ドンジュアン

スペインの「ドン・ジュアン伝説」を題材につくられたフレンチ・ミュージカルらしい。
「ドン・ジョバンニがモチーフなら見ておこうか」ぐらいの軽い気持ちで、予備知識なく観に行ったところ、
よかったです!!
ロミジュリほどの衝撃はなかったですが、「太陽王」よりは断然よかったんじゃないですか?
フラメンコ調の楽曲に乗せて、ほぼ全編歌いまくり踊りまくる、まさにミュージカル!
タップシューズなのか靴音が効果的に使われているのもよかったです。
雪組のドン・ジュアン選抜メンバー、よく頑張ったな!と思う作品でした。
主演の望海風斗さんは、もちろんなんら不安のない歌唱でしたが、2番手・3番手の役どころの彩風さん、永久輝さんは、序盤はやや危なげな印象でハラハラしましたが、物語の盛り上がりと共に調子もでてきて、クライマックスを迎え、最後は興奮と満足感に包まれて帰途につきました(^^♪

以下、キャストの感想を。
ドン・ジュアン、望海風斗…フェロモンをめっちゃ感じました。真実の愛にであってからは、こっちがにやけるくらいお幸せそうで。しかし、色気があって悪いだけの男に、女はそこまで惚れるかね?そんなのにだまされるのは、中高生のときぐらいじゃないのかね?と考えてしまいました(-_-;)いや、それは脚本のせいであって、望海さんのせいではないのですが。

ドン・カルロ、彩風咲奈…この人は、雪組で期待されて大事に育てられたスターのはず。年々スタイルだけの人になっていませんかね?スタイルは超絶すばらしいですが、他に特筆すべきものがないような。役どころはドン・ジュアンの友達。真面目な人?でもあんまりドン・ジュアンのことを思ってやってるようには見えない。それなら真実の愛を見つけてまっとうになったドン・ジュアンをもっと喜んであげてもいいでしょーに。「友のために」と口では言ってるけど、自分の正義感、自分の倫理観のためにやってるって感じ。そりゃドン・ジュアンも自分に友達はいないって思うよな。これは元の物語がそうなのか、演出がそうなのか、役作りがそうなのか、私はちょっと違和感を感じました。ドン・ジュアンを心配し、一途そうなエルヴィラとの仲をとりもとうとしてるうちに彼女を好きになってしまった…っていう設定ではダメなのか(もしそういう設定なら、そうは見えませんでした)?

マリア、彩みちる…彫刻家。ドン・ジュアンが殺した騎士団長の石像をつくった縁で、ドン・ジュアンと知り合い、恋に落ちる。歌い方が宝塚の娘役っぽくないと感じました。劇団四季っぽい感じ?男役に寄り添うタイプじゃないのかもしれません。でもそういうふうに演じないと、ドン・ジュアンが彼女に恋する理由が見えない。彼女が男に依存せずに彫刻という自分の世界をもった女性だから、ドン・ジュアンは今までの他の女性と違って魅力を感じるのでしょう。役作りとしては正解だと思います。もっとのびのびやってもいいかも。まだまだ歌は不安定な印象ですが、のびしろは感じました。かわいいし。こういう人がドカーンと化けてするするっとトップになったりするんでしょーか?そういうパターン、娘役ではあまりないか…。私はいいと思います。

エルヴィラ、有沙瞳…ドン・ジュアンに口説かれて修道院を出たものの、彼に捨てられてしまい、ドン・ジュアンの父や友に訴えて愛を取り戻そうとする(普通そういうことをすると、男はますます逃げる…)。演技はうまかったですが、エルヴィラにはミスキャストではないでしょうか?エルヴィラは修道院育ちの世間知らずでうぶなお嬢様。そんな彼女だからドン・ジュアンに騙されて何もかも捨てて夢中になる。子供だから一途で頑固。そんな感じに演じてもらうとしっくりきたと思います。だけど有沙さんは、見た目が落ち着いていて大人。下手すると経験豊富な未亡人のようで、とてもドン・ジュアンに手玉にとられるタイプには見えません。もしかすると、彩さんと配役が逆の方がよかったのかも?と少し思ったりしました。

ラファエロ、永久輝せあ…何度見てもこの人は認識できないんです。こんなにスターなのに、印象に残らないってどういうことなんでしょうかね(-_-;)?群舞とかになると見つけられない。役者にとって、色がないのはいいかもしれませんが(どんな役にも染まれるという点で)、宝塚のスターとしてここまでオーラがないのは致命的では?私の認識能力との相性が悪いだけかもしれませんが。戦場に行ってる間に、ドン・ジュアンに恋人マリアを奪われ、戻ってきて決闘する人。可もなく不可もなくって感じかなあ?エリートお坊ちゃんが、人生で初めて失恋という挫折を知って、ぶちきれる、って感じで演技してくれればいいんですが、そう演じていたようには見えませんでした。

ドン・ジュアンの父ドン・ルイ役の英真なおきさん、ドン・ジュアンを愛する(見守る)女ボス的イザベル役の美穂圭子さんは安定感抜群で舞台をひっぱってくれました。本当に最近は専科におんぶに抱っこで、演技派の上級生が育ってないような(路線からはみでた感じの方はたくさんおられますが)気がします。今後が心配…。

今回のMVPは、騎士団長役の香綾しずるさんでしょう!娘をドン・ジュアンに汚され、ドン・ジュアンと決闘して殺され、その後亡霊としてドン・ジュアンにつきまとう。愛の呪いをドン・ジュアンにかける。しかし、騎士団長は娘を汚された恨みはあれど、彼に人を愛することを教えたかったのかもなと。彼に真実の愛を教え、最後人間として死なせたあたり。亡霊となってからは、グレーメイクで怪演。この役は、もしかすると一番オイシイ役かもしれません。

あの歌と踊りは、もう一回観たい!これはDVD購入決定です(笑)!

ロミジュリに続くフレンチ・ミュージカル第2弾ということで、1年前に宝塚月組で上演された作品。
月組版、めっちゃ楽しみに観に行きました!
ところが…感想は「うーーーん(-_-;)」という感じだったんです。

今回、外部?(宝塚以外を何て言えばいいのでしょう?)での上演ということで、ワタシ的にはリベンジのつもりで期待して行きました!
いや、まずチケットが取れないことにビックリで。(こんなに入手困難だったのは、宝塚100周年記念公演以来?)
マリー・アントワネットを花總さんで観たかったので。
大阪での花總さんの日程は、次にエリザベートが控えている関係で、すっごく少なかったんですよね。
凰稀さんの日程なら、たぶんもう少し取りやすかったんだろうとは思います。

で、感想ですが。イメージ 1
全体的には宝塚より、よかったです
が、何度も観たいかといわれると、それほどではない。
曲がそこまでガツンとくるのがないんですよね。
再演を重ねるミュージカルには、どれも記憶に残る曲がありますが、「1789」にはそれがない。
ひとつひとつはいいんですけどね。
(「レディ・ベス」も私はそんな感じでした。)
「エリザベート」や「ロミジュリ」を初めて観たときは、衝撃がありました。「これはすごいミュージカルだ!」という衝撃が。「1789」を初めて観たときは、「月組さん頑張ってるなあ。」とは思ったのですが、その世界観にひきこまれるということはなく。今回の公演でも、その思いを超えることはありませんでした。

「1789」にはまれない理由のひとつ、それは主人公ロナンに全く共感できないというのがあると思います。
父親を貴族に殺され、故郷を捨ててパリに出て、ロベスピエールやデムーランら革命家に出会い、啓蒙思想にふれ、バスティーユの跳ね橋をおろし、革命の扉を開くロナン。
貴族に反抗した息子のかわりに殺された父、家長となるはずの兄が故郷を出てしまったため兄を追いかけてパリに出て娼婦に身を落とす妹、そもそも家族を不幸にした発端は自分なのに、ロナンは貴族を逆恨みしているようにしか見えません(-_-;)
あてもなくパリに出てきたロナンに印刷所の仕事を与え、友として迎えてくれた革命家たちに、「お前らは所詮金持ちの息子。本当の飢えを知らない。」とロナンは毒づく(おいおい)。
最下層の農民を描くためにロナンを登場させているんでしょうが(そんなロナンと出会うことで革命家らも真の革命精神に気づいていくってことなんでしょうが)、ロナンの性格を一貫して描くことより、農民の考えを代弁させる役割を優先しているせいか、場面場面でロナンがいきなり不満をぶちまける、そこだけが目立っているように思います。まるで反抗期の中学生のように、何もかも気に入らないような。それを大人が演じると、精神的に幼い人という感じになってしまう。なので、ロナンは少年ぽい人が演じる方がまだマシに見える気がします。
私が観たのは加藤和樹さんだったのですが、加藤さんは見た目が青年なため、いい大人が自分勝手に不満ばかり言っているように見えました(加藤さんの問題ではなく、役の性格の問題だと思われます)。
宝塚版の龍真咲さんは元が天真爛漫なキャラクターのため、その明るさでロナンの性格の暗さをうまくカバーしておられたと思います。が、キラキラした人なので、農民には見えない。
とすると、もしかしたら小池徹平さんがロナン役には一番合っていたのかなあという気がしますが、観ていないので確かめられず残念。

ロナンの恋人オランプ夢咲ねねさん。宝塚時代より歌がめっちゃマシになっていてびっくりしました(失礼)!
これぐらい歌えたら、顔も童顔でかわいいし、これからミュージカルで使ってもらえるかな?
退団後の娘役トップさんって、なかなか難しいですもんね。テレビの世界では見ますが、ミュージカル界は男役の独壇場。なぜなんでしょうね?
しかし、少年ぽいロナン、と考えるとオランプも少女という気がします。10代のカップルがきゃっきゃ言ってる感じがロナンとオランプには合っているかもしれません。

マリー・アントワネット花總まりさん。
さすがお花さま。娘役出身で、一人で舞台に立って空間をうめることができる方はそうそういないでしょう。
登場シーンのコケティッシュさは、宝塚版の愛希さんが若いだけに勝ってるかなあと思いましたが、後半の王妃の使命に目覚めるアントワネットは、お花様の本領発揮。オランプとの別れのシーンは、周囲のお客さんがすすり泣いていました。さすがお花さま(こればっかり笑)。
花總さんにはどんな役をやらせても品を失わないオーラがあります。声もいい。これは生まれもってのものだと思うので、他の女優さんが身につけようとしても得られない稀有の武器ですよねえ。同じタイプの女優さんは、今のところ見あたらないので、しばらくは花總さんの一人勝ちでしょう。

ルイ16世の弟、裏で兄をおとしめるべく暗躍するアルトワ役、吉野圭吾さん。
いや~吉野さん、こういう妖しい役、本当にうまいですよねえ。宝塚版の美弥さんもよかったですが。
吉野さんがオランプを誘惑する歌のとき、教会のステンドグラスがぐるぐる回って悪魔的になる、あの照明好きです。

ロナンの妹ソレーヌソニンさん。
非常によかった!歌もダンスもパンチがありますね。役を選びそうだけど、ソニンさんいい女優です!

ロナンの父を殺し、平民を抑圧する貴族を象徴する役ペイロール岡幸二郎さん。
岡さんもこういう役合いますね。宝塚版の星条さんもよかった。

アルトワの手下、オランプに片想いのラマール坂元健児さん。
コメディ部門を一手にひきうけ、歌はもちろん安定の坂元さん。ライオンキングのシンバがこんなことになっていたとは笑(いや、いい意味でですよ、もちろん)!

こうして書いてみると、宝塚版のキャストもよかったんだなと改めて思いました。
では、なぜイマイチだったのか?
サブタイトルに「バスティーユの恋人たち」とあるように、ロナンとオランプ、フェルゼンとアントワネット、デムーランとリュシル(あまり印象に残らなかったのですが、則松亜海さんだったんですね。梅芸の専属としてこれからもこんな感じでちょこちょこ出演されるのでしょうか?ヒロインは演れなくてもオイシイ位置かも。)、ダントンとソレーヌ、4組の恋人たちがこのミュージカルでは描かれています。
主人公はロナンだとは思うのですが、群像劇ですよね。
リュシルはまあ誰が演ってもいいと思いますが、オランプ、アントワネット、ソレーヌの配役は重要です。
3人の娘役者がそろっていないと群像劇として成り立たない。そこが宝塚版の敗因かなと思います。
男役至上主義の宝塚では、娘役の役者が育つ機会があまりない。そのため、娘役トップ含め、3人配役できるほどの人材はまずいません。月組版1789も男役はそれなりによかったと記憶に残っていますが、娘役は愛希さんしか印象に残っていません。宝塚的にはそんなものかもしれませんが、それではこの作品の魅力は半減してしまうと思います。
90年代の宝塚なら可能だったかも?大浦さん時代の花組には、相手役のひびきさん以外にも、梢さん、峰岡さん、香月さん、華さん、森奈さん、白城さんと配役に困るほど娘役が有り余ってましたし、剣さん時代の月組にもこだまさん以外に、朝凪さん紫さん羽根さん麻乃さんがいました。日向さん時代の星組もいけそう。
今は娘役不在の時代?90年代に比べて、ライトなファンになった私が知らないだけなのでしょうか?

装置?大道具?は宝塚版がよかったです。
特に、ラストのバスティーユの場面、ロナンがよじ登る城壁は見事でした。
久々の宝塚以外のミュージカル観劇。
宝塚の他では得られないキラキラした非現実感も好きですが、一般の(?)ミュージカルではその作品のために結集したメンバーによる作品にかける思いや俳優一人一人の技術の高さをより感じます(宝塚が技術が低いというわけではないですが)。

さて、「グランドホテル GREENバージョン」
1920年代のベルリンが舞台。グランドホテルで起こるわずか1日(2日かな?)の出来事を描いています。
この作品はかつて、宝塚で観劇したことがあります。
月組トップスター涼風真世のさよなら公演。
死期が迫っているさえない主人公、宝塚ではありえない過激さと言われたトップ娘役がパンスト(だったか下着だったか?)を脱ぐシーン、トップコンビは恋人同士じゃないし2番手男役は女役、唯一の宝塚っぽい男爵とバレリーナによる恋物語も悲恋で終わるし、全体的に暗い照明だし、「これが退団公演…?暗いな…」と思った覚えが(-_-;)

あまりパッとしない記憶からの久々の観劇だったわけですが、よかったです。
中川晃教さん演じるオットー=クリンゲライン。「モーツァルト」のぶっとんだ天才モーツァルト役が強烈だったのですが、さえない優しいオットーを好演されてました。ユダヤ人だったんですね。宝塚ではそこをぼかしていたのかあまり記憶にない。1920年代のドイツでユダヤ人なんて、この後に起こることを考えると印象的。死期が近いというのもそういう暗示なんでしょうか?
フレムシェン役の昆夏美さん。安定の歌うまですが、ハリウッドめざしてる夢あふれる秘書って感じではなかった。どこか自分には無理だと思ってそうな。野心家になりきれないフレムシェンだからこそ、ブライジング社長のセクハラも拒み(野心家なら上司と寝るぐらいやりそうなので)、死が近いオットーとよりそって最後旅立つのかな?ダンスは苦手なのか、あまりキレがあるようには見えませんでした。
落ちぶれたバレリーナ、エリザヴェータ=グルシンスカヤ役は安寿ミラさん。ヤンさんも好きですが、この役はぜひ草刈民代さんで見たかったなー。自分と重なる役をどう演じられるか興味あるじゃないですか(草刈さんはバレエを引退されただけですが)。見たいキャストがGREENチームに多かったので、こちらを選びました。宝塚在団中はダンサーとして有名だったヤンさんですが、あまりバレリーナという感じではなく、盛りをすぎた女優って感じ。宮原浩暢さん演じる借金まみれの男爵フェリックス=フォン=カイゲルンと出会い、恋に落ちて再び踊る気持ちを取り戻していく。ラスト、男爵の死を知らず男爵が待っていると信じて駅に向かう姿はかわいく、それだけに切なかったです。男爵の死を知ったとき、グルシンスカヤは立ち直れるのでしょうか?
そんなグルシンスカヤの献身的な秘書ラファエラ役は樹里咲穂さん(降板された春野寿美礼さんは、双子を妊娠されてたんですね。おめでとうございます!)。宝塚では天海祐希さんが演じていて、「でかい女だなー」と思った覚えが。樹里さんはグルシンスカヤの才能にほれて20年尽くしてきた…というかこれは恋愛感情?という熱い気持ちを感じました。演技はひかえめなんですが。
若い男性陣は、なぜかみんな和泉元彌に見えました…席が遠かったので(^_^;)
スペシャルダンサー役湖月わたるさんは、さすがのダンスと超絶スタイルが絶品でした。

全体的に暗いお話であり、パリに旅立ったオットーとフレムシェンにもやがてオットーの死という別れが訪れるでしょうし、グルシンスカヤも男爵の死を知る未来があるわけですが、それでも今は前を向いていこうとしているせいか、暗さを感じませんでした。フレムシェンは子供を育てることで乗り越えるでしょうし、グルシンスカヤにはラファエラがついていますから、なんとか立ち直りそうな気もします。
男爵が死んだ瞬間、走馬燈のようにグルシンスカヤを駅で迎える未来を空想する、そんな空想を描いた場面が、赤い花びらが舞ってとても美しかったです

GREENとREDでラストの演出が違うそうですが、GREENではヒトラー、ナチス、ファシズムの到来を暗示したラストになってました。グランドホテルに泊まる上流階級は、労働者階級に身ぐるみはがれ、それでもホテルマンのエリックに生まれた赤ちゃんに明るい希望を託し…ということかなと思って見てましたが、個人的には演出家の思想を過剰に演出する作品は好きではありません(小池先生も、東宝版でぶっとんだ演出をするのはどうかといつも思います。日頃すみれコードでやりたいことを制限されている反動?ロミジュリもエリザベートも宝塚版がシンプルで好きです)。

男爵を演じた宮原さん属するクラシックグループ(?)「LE VELVETS」によるミニライヴが終演後にあり、イタリア歌謡やミュージカルソング、オペラなどを聴いて幸せ心地のまま帰途につきました。

1998~2000年 全186話
おススメ度:★★
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5代文宗から10代燕山君まで50年にわたる朝鮮王朝史を描いた大作。
いや~すごいな韓国。日本の大河ドラマはせいぜい1年50話?
日本でも鎌倉3代とか(あったような気もしますが)100話ぐらいでドラマをつくる気概がほしいなあ。

もとい、50年で様々なことが起こりすぎです李氏朝鮮…(-_-;)
186話、ほとんど退屈しなかったです。人間ドラマがすごすぎて。狭い世界でよくあれだけ争えるな。
「淵蓋蘇文」の100話はしんどかったですけど、私は外交・戦争より政争の方が苦手じゃないってことですかね(ドロドロしたものが好きってこと…(^_^;))?

主人公は、9代成宗の母である仁粋大妃(インステビ)だそうですが、前半は彼女の義父で7代世祖が中心。
同じ時代を描いた「インス大妃」(2011年)や「王女の男」では、甥から王位を奪う野心満々の人物として描かれていましたが、こちらでは病弱な父(5代文宗)より叔父を慕う6代端宗と、そんな甥を慈しむ首陽大君(スヤンテグン)として登場。
こんなに仲の良い叔父と甥が、どう敵対していくんだろうと思いましたが…見ていてもよくわかりませんでしたm(_ _)m
人間誰しもそうであるように、世祖も二面性をもった人だったのか?甥をかわいがる気持ちも真実、優秀な自分なら政権を安定させられると思う気持ちも真実。
歴史に「もし」はないといいますが、もし5代文宗が健康で長く在位していたら端宗も成人して王位を継いだでしょうし、首陽大君に機会はなかった。しかし、現実は文宗は2年で死去し、端宗は12歳で王となった。そんな甥を補佐するには首陽大君はあまりにも才能があり、自負もあった。ということでしょうか?
あとは本人達の気持ちとは別に、周囲の思惑もからみ…という感じかなと想像。
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このドラマでは、とにかく女性はほぼみんなクセがあるのですが、端宗王妃宋氏(←)も私は曲者と認定。
一見、いい人なんですけどね。自尊心が強いのが難点というか。
夫に王としての自覚をもたそうとしているのは分かるけど、時勢が首陽大君に流れてるのがわからない。
結果、端宗と首陽大君の仲をさき、譲位を招き、魯山君に降格させた挙句、賜死されるところまでいった気がします。よかれと思ってしたことが、ダンナの首をしめていった感じです。うーん切ない。

イメージ 4王となってからの首陽大君こと世祖は、王権強化策につとめ(ドラマでは描かれませんが)いろいろ改革も行ったらしいのですが、甥から王位を奪った汚点の印象が強くて評価が低そうなのが気の毒です。
本人もそれを気にしていたのか、晩年は皮膚病に苦しめられ猜疑心も強くなり…という世祖をイム=ドンジンさん(←)が熱演されてました。


さて、後半は女丈夫インス大妃が中心。このドラマ一番のクセもの女子(女子なんてかわいさはかけらもない方ですが)!チェ=シラさんが10代から60代まで熱演。演技大賞も受賞。
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本来ならば、世祖の長男の嫁である彼女は、次期王妃。しかし夫はわずか20歳で亡くなり、その後宮廷を離れて女1人で3人の子を育てる間ドラマからいったん姿を消します。しかし虎視眈々と権力の座を狙っていた彼女は、世祖の晩年に再登場。
世祖亡き後、次男の睿宗が即位しますが、彼は病弱で1年で死去。
睿宗の息子、斉安大君は4歳と幼いということで、インス大妃の次男が9代成宗として即位。

夢が叶ってよかったね!と思いきや、「大妃」の称号を得るまで彼女は止まらない。突っ走る突っ走る。(「大妃」の称号は、王の母に与えられるものだが、彼女は王妃ではなく世子嬪どまりであり、また成宗は睿宗の養子となってから王位を継承したため、難しかったと思われる。ドラマより。)

そして、第三のクセもの女子、成宗王妃尹(ユン)氏(↓)インス大妃の対決!
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嫁と姑のよくあるバトルなのですが、国家規模となるとスケールが違う。
お互い気は強いし野心家だし、要は似た者同士なんですね。
ていうか、私は成宗にかなり同情しました。こんなキーキーうるさい嫁と母に囲まれてたら、気の休まるときもなかろう…(´;ω;`)私だったら浮気する!でも王妃は嫉妬深く、毒薬を用意するわ、顔をひっかくわ。そのせいでインス大妃の怒りを買い、王妃降格となり、最終的には賜死されてしまう。そして、この事件が次なる不幸を招くわけです。すごいな李氏朝鮮!

次なる不幸、それこそが李氏朝鮮最大の暴君、燕山君の登場!成宗と廃妃尹氏の息子です。
この人もかわいそうな人です。インス大妃がもっと愛情かけて育てておけば、こんなに生母恋しやにならなかったのでは?もしくは、生母を殺した時点で、王位継承者から外しておけばよかったのでは?
即位後燕山君は、母について調べ、母を復権し、母を死に追いやった人々に復讐する。
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ンス大妃に「廃妃の息子」という足かせをつけられ、母の復権を行うことで、自由になろうとする燕山君。ある程度は譲歩するものの、インス大妃燕山君から負い目を外してあげようとはしない(溺愛する晋城大君(チンソンテグン、のちの11代中宗)へ王位を譲渡する道を残すため(?))。もがけばもがくほど、深みにはまっていく燕山君。最後、彼はわざと粗暴にふるまうことで「廃妃の息子」らしくあろうとした感じでした、実際のところはわかりませんがドラマでは。

燕山君張緑水(チャン=ノクス)

「王と妃」、アクの強い登場人物たちによる50年の歴史でした。
強い女たちにふりまわされた男たちの歴史かも(-_-;)…ふりまわされてなかったのは、世祖ぐらいで。
朝鮮三大悪女の一人といわれる張緑水なんかカワイイもんでした(彼女を主人公にしたドラマもまた見てみたいと思います)。

個人的には、イメージ 7世祖の策士ハン=ミョンフェを怪演したチェ=ジョンオンさんがお気に入りでした。
稀代の策士ハン=ミョンフェも、インス大妃の前では蛇に睨まれた蛙でしたが。

インス大妃最強。。。