『名勝負製造機』蘇我英樹(WKBA世界スーパーフェザー級王者/市原)。
どんな相手にも真っ向勝負を仕掛け、会場を熱くしてきた蘇我英樹が遂に引退試合を行う。
4・10市原臨海体育館大会のメインイベントでは蘇我英樹が最後の相手として熱望した『爆腕』大月晴明(元WPKC世界ムエタイライト級王者/キックスターズマスクマン)との再戦となった。
蘇我英樹らしい最後の戦いの相手となった。
ラストマッチ直前の蘇我英樹選手にインタビューしました。
『初対決では最後まで立っていたので、今回は立ってられないくらい全てを出せたらいいと思っています。』
──このタイミングで引退を決意した理由を教えてください。
蘇我 自分の中では最高のタイミングです。プロでキックボクシングを始めよう思った時は絶対にチャンピオンになれるという確信的な自信がありました。いまは人生2度目の確信的な自信を持てるようになったので、そちらに全てを注ぎこむことにしました。
──後悔はない?
蘇我 後悔は何もありません。13年の現役生活で人生に必要で大切なことは全て勉強することができたので、感謝の気持ちしかありません。
──選手としての一番の思い出は?
蘇我 人としても成長して、いろいろなものを積み重ねることができたいまが一番の思い出です。終わりと始まりの全てがカオスしてる今の状態が最高です。
──ラストマッチの相手に大月晴明選手を指名した経緯を教えてください。
蘇我 大月選手にお願いしたのは僕自身の中での最強の対戦相手であり、僕の力を100%引き出してくれたからです。僕も大月選手の力を100%引き出す自信があるので、お互いに100%以上の力が出せる試合ができると思う。そういう僕の勝手なわがままでお願いしました。
──昨年5月に一度対戦した時の大月選手の印象は?
蘇我 僕は最高な試合が出来たと思ってます。絶対にKO決着だと予想していたけど、お互いに倒れることはなかった。それでも緊張感があったので、僕は満足しています。
──前回の試合の反省点と課題は?
蘇我 1Rでだいぶ効かされたうえに、試合の流れが速くてビックリしました。最後まで立っていたので、今回は立ってられないくらい全てを出せたらといいと思っています。
──今回はどんな試合になると思うか?
蘇我 今回は何も作戦は考えて練習してません。ただ、KOするイメージだけの練習をしてます。あとは場面場面で全部出せば、前回を超える最高の試合ができると思います。
──最後にファンへのメッセージをお願いします。
蘇我 僕のキックボクシング人生に関わって下さった皆さん、本当にありがとうございます。13年間、頑張れた原因の1つは応援して頂いたことが大きい。僕は自分勝手な選手で、王者としての品格に掛けると思いますが、今回はラストマッチなので一生懸命頑張ります。これからは、僕も誰かを全力で応援できるような人間になれるように努力するつもりです。心から応援したい人間にもたくさん出会っていけるように頑張ります。今まで応援していただき、本当にありがとうございました。
(スポーツライター 布施鋼治)
新日本キック4・10市原臨海体育館大会。
蘇我英樹の最後の戦いを刮目せよ。