本場ムエタイの頂上対決がKICK Insistのリングで実現する。
クワンペット・ソースワンパグデーは現ルンピニースタジアム認定バンタム級王者で、左ミドルキックを得意とするサウスポー。
一方のペップンソーン・ペッチンダーはCPガイトーン・ガンラーントーナメントのバンタム級優勝者で首相撲を得意とするオーソドックスだ。
両者は12月にクワンペットがペップンソーンの挑戦を受ける形でタイトルマッチとして組まれる可能性もあるというのだから、とてつもなく豪華な前哨戦という見方もできる。
これまで何人もの現役王者やトップランカーが来日して試合をしているが、必ずしも好ファイトを繰り広げるとは限らない。
今回のようにタイ人の現役王者を呼び、タイのトップランカーと闘わせ、凡戦に終わった例もある。
そういう時に限ってマニアからは「ホンモノのムエタイはこうじゃないのに」というため息も漏れる。ギャンブルの有無、採点方法の違いなど理由はいくつかあげられるが、そうした不平不満を払拭しようと今大会のプロモーターであるビクトリージムの八木沼広政会長は「だったらトップ同士の対戦を見てもらおう」と決断し、両者のマッチメークを組んだ。
もちろん、ただ単にリングに上がってもらうわけではない。移動の飛行機もホテルも別々で、5Rになったら勝っている方は試合を流すという暗黙のルールを禁じてのマッチメークだ。なあなあも流しもなし。
もうすぐ我々は超一流のナックモエだけが魅せる攻防が一体化した最高峰のムエタイを目撃する。
(スポーツライター 布施鋼治)