愛することだけが、
幸せへの道よ…
孤高の映像作家テレンス・マリック監督最新作。
今年のカンヌ国際映画祭でパルムドールを獲得した、
注目作品。
監督兼脚本も兼ねており、
こんな作品は脚本家がいたら、
もう大変なことになってしまうだろうと思っていたら、
やはり兼任していた。
話の内容としては、
ショーン・ペンが演じるジャックの、
子供時代を振り返るという簡単な内容なんだけど、
マリック監督ならではの映像を織り交ぜているところが、
非常にアーティスティックに仕上がっている。
振り返ると言っても、
精子が卵子に着床するところから振り返っていて、
それを抽象的なリアルな映像とシンクロさせている。
炎だったり、
煙だったり、
マグマだったり、
サンライズ、細胞分裂、血管、天体、
そして、なぜか恐竜…。
自然=神
というニュアンスも感じることができ、
前半部分のほとんどが、
ヒーリングミュージックと相まって、
ヒーリング映像となっている。
宗教的なアプローチもかなりあって、
一神教における絶対的な神に対して、
崇拝する一方で、
「あなたはどこに?」
「あなたは何者?」
「あなたみたいに考えたい」のように、
神へ直接問いかけ、
幼いころに抱えていた、
やりきれない思いや葛藤が、
まじまじと描かれている。
全体を通じて、
カット割りが非常に多く、
テンポ感はかなりある。
中盤以降は幼き頃の回顧シーンとなる訳だが、
終盤は回顧と映像美で構成される。
この辺りがこの映画を評価する上で、
大きく二分するところであろう。
この映像美が本当にこのストーリーに必要か否か。
アプローチとしては、
ギャスパー・ノエ監督の、
『ENTER THE VOID』に近いところがある。
エンターザヴォイドでは、
輪廻転生を幾何学的な映像美で演出しながら、
テーマを強く訴えていた。
ツリーオブライフでは、
家族の絆とは?という、
深いテーマを表現している。
厳格な父に対して、
反発する一方で、
優しい母に対しても、
反抗していく。
しかし、それが正しいとは思っていないが、
やりたいことが分からず、
やりたいことが出来ず、
いつしか父には大して殺意までも…。
いつまでも弟の死を後悔し続け、
自分を責めるジャック…。
自分を責めるジャック…
ジャック…
弟の死の理由が、
この映画のキーになっているものだと思っていました。
しかし、死の理由は全く関係なかったのか、
そこは語られることはなく、
結局、子供時代で話は終わってしまって、
正直、よく分かりませんでした。
何がきっかけでお父さん・お母さんと分かりあえたのか?
何かそんな細かいことはどうでもいいやん的な感じで、
最後おいてけぼりにされた感があるんだけどなぁ…。
行き方には二通りある
世俗に生きるか…
神の恩寵を受けるか…