リフレッシュ講習会〜インテグラルトレーニング | エフネットスポーツ社長日記

エフネットスポーツ社長日記

埼玉を本拠地に活動するフットサル・サッカー関連会社の社長日記です。
仕事のこと、プライベートなこと、気ままに書いております。

告知==
FCシャルケ04ジュニアキャンプ参加者募集中。3日間参加できない人のためのプランもあります。
お問い合わせ詳細は下記へ
http://schalkecamp2014.hallenfussball-japan.net/
====

今週火曜日、フットサルC級資格のリフレッシュ講習会に行ってきました。
今回で無事ノルマのポイントを獲得し期限1か月前でしたが無事更新できます。

リフレッシュ制度は、面倒ではありますがしっかり勉強をする機会を設けないといけないということで大事な制度だと思います。指導者こそ学び続けないといけない、ですからね。

今回も講師はフットサル日本代表のミゲル監督です。
今回はかなり深いところまではいって行った濃密な1時間半でした。
相変わらず時間が足りません。もっと時間がほしい。

それでは簡単ですが講習会を振り返ります。
基本的には自分の備忘録のつもりで書いていますので、違う解釈をしていることも。
指導者の方は参考までに見ていただいて、あとは自分で学習してください。


photo:01



今回のテーマはインテグラルトレーニングでした。
これはもう何度かブログでも紹介していますし、ミゲル監督も来日してからずっと訴えている話なので、多くの方がご存知かと思います。

簡単にトレーニングの種類を紹介すると
1.アナリティックトレーニング
2.グローバルトレーニング
3.インテグラルトレーニング
4.・・・
となります。

アナリティックなトレーニングとは、簡単に言えば反復練習のこと。
主に技術の習得に特化した反復の練習。
たとえば、対面パスとか、トライアングルでパスとか、ドリブルシュートとか。
一般的に日本のトレーニングでよく行われているものです。

グローバルトレーニングとは、技術の向上にフォーカスは当てつつ、戦術、フィジカル、心理的な側面を加えたトレーニング。
たとえば、3対1のボール回しとか、ポゼッションゲームとか、ディフェンスを入れたシュート練習とか。

そして最後が今回のテーマになる、インテグラルトレーニング。

技術、戦術、フィジカル、心理などグローバルトレーニングの要素に、実際のゲームに似通った状況を取り入れて総合的に行うトレーニングのことです。

スペインでは、ハンドボールやバスケットボールなどほかのボールゲームからこのような考え方が生まれフットサルに取り入れられています。

インテグラルトレーニングを行う上では、要素以外にも様々な状況を考えてトレーニングを計画します。それが下の図です。

photo:02



上記、トレーニングの種類の4番目が空白になっていますが、ミゲル監督は「トレーニングは4種類」とおっしゃった後に上記の説明をしたので、つまりただインテグラルトレーニングを作るだけでなくこれらの要素を踏まえていくことが大事だと言いたかったのかなと解釈しています。
この辺りは解釈が違うかもしれませんが。

これらの要素は対象となる年齢は関係なく、育成年代でも同様のトレーニング手法がとられるとのこと。対象の年代に応じて、フィジカル強度を変える(時間や回数など)などでトレーニングを構築する必要があります。

インテグラルトレーニングの構築方法には3つのやり方があります。
これが今回の講習会での肝ですね。

1)ゲームの一連をとらえる形式

これはトレーニングしたいプレーの前後のプレーを考えて、一連のトレーニングを作る方法です。

たとえば、「カウンターの練習をしたい」と考えた場合
まずは、カウンターが起こる前のプレーを考えます。

カウンターが起こる前のプレーとして、たとえば「コーナーキック」が想定されます。

そして、今度はカウンターのあとにおこる現象を想定します。

フットサルでよくあるのがカウンターに対する逆カウンター。これも失点パターンとしては多いですよね。

そこまで想像できたら、コーナーキック→カウンターのの攻守→逆カウンター というトレーニングを作ります。

講習会では実際このようなことを想定したトレーニング映像を見せていただきました。

こういったトレーニングを作るときは、自分たちの試合を動画で見て、失点が多いシーンや危険なシーンを分析し、その前後のプレーを想定して作るのが良いとのことです。


2)ゲーム課題から考える方式

プレーには3つの原則があります。
攻撃であれば、1.ボールを保持する 2.ボールを前に運ぶ 3.ゴールを奪う
対応する守備であれば 1.ボールを奪う 2.前進を妨げる 3.ゴールを守る

これらの相対する二つの現象(たとえば、ボールを保持する―ボールを奪う)を含んだトレーニングメニューを考えます。
ポイントは、連続的に、サイクルがあるような、切替があるトレーニングメニューを作ること。

たとえば、1のゲーム課題のトレーニングとしては、代表のトレーニングでもよくやる動きながらのロンドです。これを様々なルール設定でやります。
テーマの一つに「運ぶドリブル」を設定するのであれば、「ハーフを超えるのはドリブルで」という具合に。

このあたり、実は自分が一番今回聞き入ったところではあるんですが、今までこのトレーニングをアップでしかやってませんでした。ルール設定も、どちらかというと様々な技術をトレーニングするために設定していました。あとは頭を働かせるために。
「チームのゲーム課題に沿ったルール」という発想がなかったですね。

このように、2番の課題ではこんな練習、3番の課題ではこんな練習とトレーニングを紹介していただきました。

3)実ゲーム形式

これは、実際のゲームの中で様々な設定を付けるというもの。

 1.ルールを変える/プレイヤーの役割を変える/得点システムを変える

 たとえば、得点システムを変えるというのは

 カウンターが苦手、もしくはカウンターで全然走らないチームに対して、カウンターからの特典は3点、のように。

 2.ゲームの構造を変える

 これは自分が現したい現象が出やすい設定を作ること。

たとえばプレッシングであれば、ボールを奪ったら一度キーパーにボールを返す設定にする。こうすることで、常にプレッシングが起こる状態になります。

 3.試合を想定して

 これは完全に試合を想定した形で、レフリーを付けて、時間もしっかり計測してというようなゲームの中で、条件を付ける。

 たとえば、1-0で勝っていて、5ファールがたまっているという状況を設定してゲームを行う。
 こうすることで、勝っているチームは、ファールをしない、仕掛けない、ボールをポゼッションするという選択をし、相手チームはその逆を狙う。とか。


講習会は時間切れでここまででした。
なんだかこのブログも長くなってしまいましたね。内容が濃いのでまとめるのが大変です。

で、終了後に配られたプリントがまた難解。
スペイン語を翻訳してくれたものだと思いますが、こりゃ学問だね。

最後に大切なこと。
ミゲル監督も著書で話していますが、インテグラルトレーニングですべてをカバーできるのかといえば違う。アナリティックトレーニングもグローバルトレーニングも必要。
ただそのトレーニングの割合として、フットサルという競技の特性を考えた場合、インテグラルトレーニングを増やすことが、大事になってくるということです。

このあたりは、「フットサル戦術パーフェクトバイブル」に詳しく書いてあるので是非読んでみてください。