スムーズな試合進行をめざそう | エフネットスポーツ社長日記

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埼玉を本拠地に活動するフットサル・サッカー関連会社の社長日記です。
仕事のこと、プライベートなこと、気ままに書いております。

先日のブログ、「フットサルの審判のこと」多くの方の反響を頂きありがとうございました。

ブログのコメントやツイッターでの議論は非常に建設的で
新しい知識もたくさん得る事が出来ました。
また違う考え方も知る事が出来、自分自身の考え方も整理できたような気がします。

やはり、どの方もスムーズに試合が進行していくことを欲しており
それは選手も審判も同じなのかなと。人間なのでミスもあるし、文句を言いたい事もあるのは当然。

それを踏まえた上で自分の経験から、少しでも試合がスムーズに進行していくような、自分なりの考えがあるので、今回は前回のブログの続きのような形で書きたいと思います。

まずは、審判について。これは、初めて審判をする人や審判経験の浅い人、たとえば選手が帯同審判をしなければならないときなどに、ちょっと覚えておいて頂くといいかもしれません。

1.まず会場に着いたら、コートサイズを確認しましょう。これは聞くのではなく自分の眼で。

 簡単な確認方法ですが、縦の長さは第2PKマークと交替ゾーンのゴールよりの線が並行であれば縦は40Mということになります。第2PKはゴールラインから10M、交替ゾーンは、センターラインから5Mのところからの5M幅なので、必然的に2本目がセンターラインから10Mになりますので。
 あとは引き算すれば縦が何メートル短いとかわかりますよね。

 横は、ペナルティエリアの端からラインまでの距離を見ると分かりやすいです。
 ペナルティエリアはポストから6M、ゴール幅は3Mなので、ペナルティエリアの幅は15Mです。
 横が20あるなら、ペナルティの端からラインまでのは2.5Mですね。
 これもそこの幅を見ればサイズは分かりますね。

 なぜまずはサイズを見るのかはあとで説明します

2.マッチミーティングにて

 このときに既に試合のコントロールは始まってます。
 マッチミーティングにて、審判から一言を言う場面があると思います。
 そのときには以下のことを言いましょう。

 「笛が鳴るまで試合を続けましょう。特にハンドなどについて
  自分の判断でプレーを停めないように」

 「私たちも一生懸命やりますので、審判のジャッジを尊重してください」

この2点。
特に二つ目。こんな言い方をしている審判の方いませんか?
「審判の判定には従ってください」

 試合前から、いきなり自分に「従え」って言われて、気持ちのいいものではありませんね。

まずは「自分たちも一生懸命やる」という意思表示も大事です。

私はよくこの言葉のあとに下記も付け加えます。

「キックインのワンタッチとか、自分たちの主張とジャッジが違う事もあるかもしれません。
 人間なので、1度目のアピールはしていただいてかまいませんが、審判がジャッジを下したら
 そのジャッジを尊重してゲームに戻るようにしましょう」

 試合中もそうですが、選手に対しては丁寧語で話す事。常に命令口調にならないように注意しましょう。

3.審判のポジショニング

 コーナーキックのポジショニングが新しいルールブックで変わったのをご存知ですか?
 今までと2人の審判の関係が逆になったんです。

 ポジショニングは正しいジャッジをするために大切な事ですが、本質は正しいポジショニングをする事が大切なのではなく、正しいジャッジをするためのポジションを取ることです。

 だって、昨日まで正しいとされていたものがいきなり逆になるんですから、結局「どっちでもいいじゃん、見れれば」ってことです。

 試合中は2人の審判が対角にたちます。ボールに近い方の審判がボールと平行に、もう1人は攻撃方向の最終ライン近くにポジションをとります。
 サッカーと違ってオフサイドはないので、最終ラインにたつ必要は必ずしもありません。
 このときに2人で、なるべく死角がないような距離感をとるのですが、自分の感覚では、コートの3分の一ぐらいの幅がちょうどいいと思います。

 ポジションは2人がめまぐるしく変わる必要はありません。キックインやコーナーキックなどのときに入れ替わるなどしましょう。

 ただし、自分からボールが遠くなり見難いと思ったら、ボールに近づいてジャッジをしましょう。
 そのとき反対側の審判が、ポジションを替えればいいのです。
 見たいほうがボールに寄る、それを受けて反対側の審判がポジションを移動する。

 2人が死角のないようにコート全体を見渡せるポジションを取れるようにコミュニケーションを取って行きましょう。

 ポジションは常に移動します。ボールが1M動けばポジションも移動するのが基本です。
 なので、常に立ち止まらずに歩くぐらいの感覚で、1歩、2歩の修正をしておきましょう。

 また、ゴール寄りの審判は、シュートが予測される場面では必ずゴールラインまで走る事を基本としてください。ゴールが入ったか微妙な判定のとき、たとえば、バーに当たって下にバウンドしたときなど、しっかり見るためです。

 選手も文句を言ったときに、審判がラインでジャッジをしていれば納得しますが、ハーフラインぐらいでジャッジされても納得いきませんよね。それが正しいジャッジだとしても。

 
3.見るポイント 間接視野が重要

 経験の浅い審判はボールばかり見てしまったり、視野が直接的だったりします。
 たとえば、両手を真正面に伸ばして視線をまっすぐしてみてください。
 そのまま両手を横に広げていきます。腕が見えるポイントまでがあなたの視野です。
 直接視野しか意識していない人は、常に真正面しか見えません。間接視野を意識するとこれだけ多くの情報を見ることが出来ます。

 こういう意識を持っていると、ボールがないところでのファールを見逃したりする事がなくなります。
例えば、クリアーするときに攻撃の選手がプレッシングを掛けてきたとき。ボールの行方を追いつつも間接視野で視線を残す。こうする事でアフターファールを見ることができます。

 間接視野を意識すると、ワンタッチなども間違いにくくなりますよ。
 この間接視野は選手にも重要で、私は指導現場でもよく言います。

 審判が上手くなるとプレーも上手くなると言う一つの理由はこの間接視野です。

4.キックインなどの5Mをスムーズに

 ボールが外に出て、選手がセットして、「近い、近い」・・・
 もうフットサルはこの繰り返しですよね。全然試合が進まない。
 離れない選手もわるいんですが、これは審判のコントロールで改善できます。

 ボールが出たら、近い審判がよります。そこで、ボールを取りに行っているときなどセットする前に、「ここから、5M離れておこう」と声を掛けます。また、選手が遠くから近寄ってきたときは、5Mの距離のところで「ストップ!」って声を掛けてみましょう。ストップって、言われなれてないので、結構反応して止まってくれます。
 こうして、ボールがセットするときに5M離れた状態であるのがベストです。

 で、この5Mをいちいち歩幅で計っていたら時間がロスしてしまうので目測で下げるんですが、そんなときに、はじめのコートサイズの知識がいきてきます。

 キックインでゴールに近ければポイントがあると思うのでそれを意識。
 ない場合ですが、横が20Mなら、ペナルティの端からラインまでが2.5なので、同じ距離をエリアの端から動かせば5Mになります。
 第2PKあたりもポイントがあるので簡単ですね。
 センターライン付近では、センターサークルの半径が3Mなので、そこからサイドラインまでは7Mとなります。つまり、センターサークルから2M手前が基準です。

 フリーキックも同じです。たとえば、第2PK付近であれば、ペナルティエリアまでが4Mなので、そこから1M離れれば5Mとなります。同じ考えでコートの中の様々なサイズを覚えておいて上手く利用すると、「ほぼ」正確な距離を取れますので参考にしてみてください。

 よく、ペナルティエリアギリギリのFKで、壁をゴールラインまで下げさせる審判がいます。
笑い事ではなく、実際に私もたくさんそういう場面に遭遇しています。
ペナルティエリアは6Mなので、当然1M前に出れるわけですね。

 こうした距離の知識も選手として理解しておけば、試合に生きますね。
 ただ「近い」というのではなく根拠を示せばより具体的にコミュニケーションが取れます。

ちなみに、ゲームコントロールでよく使う方法をご紹介。

 試合が落ち着きがなく、ガチャガチャなときありますよね。今にも荒れそうな・・・

 そんなときは、わざとキックインなどをゆっくりやると少し落ち着きます。
 たとえば、今までスムーズにさげていた5Mをわざとセットするまで下げない。
 そうすると、キックインのときにアピールがあると思うので、笛で停めて歩数でゆっくり距離をとって、5M離してから再開する。こういう時間を使って、選手に話しかけたりする。
ユニフォームが出てたら、それを直すように促して時間をおくなど。

 こうすると、たとえばマークが入れ替わったりして、ガチャガチャだったペアが分かれたりします。
 参考までにやってみるといいでしょう。

5.プレーを予測した目線、ポジショニング

 またまた長くなったので最後にします。
 これは選手出身の審判が一番得意としているところだと思います。
 前回のエントリーで、審判もプレーしてみてくださいと書いたのはこれが一番です。

 たとえば、守備側ゴレイロがキャッチをして、PIVOが張ってたり、選手が走るとき。
 当然、ゴレイロからのロングスローが予想されます。
 これは、投げてから走っても近くでみれません。プレーが起きたときに、選手のポジショニングや位置関係を把握しておきます。そして、キャッチした瞬間にはもう走ってましょう。
 これはコーナーキックからのカウンターも一緒ですね。

 相手のPIVOとベッキが近いポジションにいるとき。
 ここにボールが入ってきたときは、「不正に」手を使う反則がよくおきます。
 注意してみておくといいでしょう。
 自分の場合は、ボールが入ってくる前のポジションの奪い合いは放っておきます。
 「そこの手見てるからね」って声を掛けておきます。
 そしてボールが入ってきたときに、不正に手を使ってポジションを取ろうとした時に
 反則を取ります。

 それと、反則ではないが激しいプレーが起きたとき。そんなとき、やられた方がボールを奪い返しに猛然とプレスに行く場面があります。
こんなときは、反則が起こりがち、時には報復行為で退場に値するようなプレーが起こる場合があるので注意深く見なければなりません。

まだまだありますが長くなるのでこの辺で。
ポジショニングしかり、シグナルしかり。もちろん大事な事ですが
それより大切なのはスムーズにフェアな試合を出来るようにコントロールする事。

ポジショニングやシグナルはそのためにあるのであり、本質を理解してジャッジするようになれば、自然と最適化していくのではないでしょうか。

上級審判の方にはたくさん反論を頂きそうな内容ですが。。。


選手編はリクエストがあれば気が向いたときに書くかもしれません(笑)