78歳の可能性    

日本で10年働いた実績が認められ年金がもらえることになり、今はコロナで無理だが、このお金で毎年1回帰省することが可能となった。仕事が忙しかった頃は、年間3回も日本へ商用旅行をしたこともあるが、近年はそんな体力も時差調整能力もなくなった。
ほとんど毎回エコノミークラスの一番安い切符を探して購入していたけれど、マイレージポイントでビジネスクラスにアップグレードしてくれることもある。そして最近は楽を覚えエコノミークラス+も利用し始めている。
帰省に際しては、同行者にできるだけ多くの日本を見せたいので、海外在住者も利用できる1週間乗り放題のJRパスを25000円で購入して、フルに利用する計画を立てる。京都・名古屋・東京・仙台や仙台・東京・長野・金沢を一日で回ることができるのも、日本のJRの運行時間が予定通りしっかり守られているから可能で、計画が立てやすい。新幹線は数分ごとに発車しているので、時には予約便を間違えることもある。一便早い列車に乗り、自分の席にほかの人が座っていて間違えに気づいたり、学生たちと楽しい時間が過ごせたようでよかったけれど、修学旅行列車に妻子を間違えて乗せたこともある。
時間に余裕のある時は旧友と食事会をしたり、旧友宅を訪問することもある。那波さんは40年前の同僚と再会できるチャンスを作ってくれ、尾関さんは40年行方不明だった津崎さんを見つけてくれた。軽井沢に美術館も開いている若杉さんの奥さんは香の聞きかたを実演して見せてくれた。土方さんは日本画創作に精を出し立派な作品を展覧会に出品していて、時期があうと鑑賞させてもらっている。また奥さんは雑草盆栽に取り組み、やはり作品展に出品し来場者を喜ばせている。家の庭はそんな静かな作品であふれている。正木さんのお母さんはお茶の師匠で、全くの素人の私に、お茶をたててながら人生を語り、記念にと海仙サインの茶扇子をいただいた。地域の老人会の世話役を買って出ている二村さんは、45年ぶりの我々の再会に、我らが青春のマドンナを呼び出してくれ会食会を盛り上げてくれた。
20代時代の仲間も間もなく80代に近づき、あえる機会も残り少なくなってきた。創業45年目のサンアイの閉店を決意した年に、同年代のJOE BIDENが米国第46代大統領に就任した。分断された国内と世界を再び結び、理解しあえるようにという困難な仕事を始める。
さて78歳、閉店していいのか、もうひと働きか、何ができるか、何をするか。