日本はどんどん世界から取り残され始めているという。この30年で世界の就労者の所得は倍増している国もあるのに、日本では横ばいかむしろ減っているともいう。各種の国際比較統計がそれを明らかにしている。原因は生産性が低いからとか、なんでも自己責任と考え、所得をあげさせるように団結して強く経営者側に要求を出さないとか。また性差別、格差社会、少子化、高齢化社会、経済成長の停滞、など様々な要因が重なっている。政府もいろいろ対策を打ってはいるが効果は出ていない。なぜ成果が出ないのか?日本人と日本社会は昭和の成功期の体験を基礎にしていて、新しい世界に対応がとれていないでいる。昭和タイプの仕事の仕方からは日本の再生は望めないのではないだろうか。
日本では多くの学生が職種別の基礎知識もないまま新入社し、OJT、長い時間とコストをかけ日々の繰り返しから仕事を学ぶ。自分の場合、初受注を取るまでに7か月を要した。今なら非正規社員で3か月も雇用はしてくれなかっただろうと思う。昭和タイプでは良い大学を出て、良い企業に入り、一生をその企業で働きキャリアを積む人生が良い人生と考えてきた。経団連の偉い人たちはそんな人達ばかりだ。
スウェーデンでは高校からあらゆる職業別の教育を受けることができる。ゴルフやサッカー選手への科目もある。プロスポーツの選手も選手生活後のながい人生のために、医師、弁護士や教師など自分に合った資格を得られるようにあたりまえに勉強も併せてしている。そのコースを変更することは職業を変わること同様に容易だ。教育を受け初就職すると、即受けた教育が役に立つ。良い仕事、自分のしたい仕事を求めて転職で地位をのぼってゆく。
日本では企業間競争が激しく、時には原価を切ってまでして、生き延びるため、商品を売ろうとする。そのため商品の価格もあまり上がらない。スウェーデンでは自分の生き方を崩さず、生活の質を落とすような競争はしない。夏休みはどんな不況下でも年5週間あり、15分散髪でも最低3000円はとる。スウェーデンにも貧しい家庭はある。彼等には最低限の生活を保障する各種の救済制度がある。それは市町村の公的なシステムだったり、Lionsなどのボランタリーの援助プログラムだったり、赤十字や教会の支援だったりする。それらを受ける壁は高くない。AfghanistanやUkraina難民の援助は一般の市民も協力する。これらは困っている人たちに対する思いやりの心が豊かであるしるしだ。それに比べ日本人は、基本的に自身が貧しいからか、困っている人を救うという心は弱く、寺社からの動きもない。
自分の職業歴は雑多だ。小学生時代のアルバイトは5-6種を経験、中学を出てすぐに、松下電工の倉庫係を1年、高校を出て日本事務器のサービス技術担当を4年、そして22歳で欧州に遊び、Finlandで事務機のサービスを7か月、Danmarkで皿洗いを3か月経験し、帰国後リコーでDPEセールスを5年務めさせていただいた。32歳でスウェーデンに移住して、事務機メーカーFacitで事務機の組立工を8年務めたのち、自営独立して新聞配達やクーリエ業を21年間、兼業で日本書籍と食品雑貨販売店をトータル46年間経営してきた。自分の場合はいわゆる昭和タイプではない職業人生を経てきたと思う。
そして70歳で年金生活に入り80歳を迎える今、自分の人生は他人への迷惑はお詫びするとして、やりたいことを楽しくやってこられた幸せ者だと思っている。