「はい。えーと。どうしようかな。いっぱいあるんですよ。うーん、どれから聞こうかな・・
今、とにかく今、いろんなことが転機で、仕事も人間関係もこれからの生き方も、すごく迷っているんです。でも、やっぱり一番は身体のことかな。私はひどいアレルギー体質で、物心ついた時から、鼻炎やアトピー、喘息と縁が切れずに生きてきました。今、もう絶対に健康になる、とコミットしていて、いろんなことにチャレンジしているところで。でも、なんかもう一歩足りない、という感じがあって。とにかく体質改善をしたいんです。」
「えっと、簡潔な質問にしてくださいね。では、一番の質問は‘体調を改善するにはどうしたらいいか’でいいですか?」
「あ、すみません(笑)。はい、それでいいです」
町田さんは目を閉じてうつむき、小さな声で「体調を改善するにはどうしたらいいか」と繰り返し唱えるようにつぶやいています。そして次の瞬間、ぱっと顔をあげて、眼を見開いていいました。
「何からやる?」
小さな子供のような、ちょっと舌ったらずのしゃべり方。
おっ、来た、これが宇宙人か!!
地底人とは真逆のエネルギーです。とっても軽くて、かわいらしい感じ。
「いろんな不調があって。アレルギー体質なので、アトピーとか鼻炎とか、最近は老眼も相まって眼がかすんだりして本当に見えづらい。あとここのところ、気分の落ち込みも激しくて。」
「一番困るのは何?」
「うーん・・・・今一番は、気分がふさぐことですね」
「そうだね。まずは、身体は病気にならない、って事を知らないとね。」
「えっ、身体は病気にならないんだ?」
「そうだよ。病気ってどういう字を書くんだっけ?」
「・・・ああ、気の病・・」
「そう。身体は入ってないよね。身体は素直だから、気が病むと、共鳴的に信号をだすの。ここの部分が困ってまーすって。身体のどこに一番症状が出てる?」
「患ってる期間が一番長いのは鼻ですね」
「鼻は、最も本能的な部分。かぎ分ける能力なの。感じる力があるのは鼻。ていうことは、君は、それを鈍らせてるの。でもそれにはメリットがあるの。」
「どういう?」
「もう感じたくないよー、この空気、もう吸いたくないんですけど、ってこと。君のその皮膚も全部そう。肌に合わない、っていうでしょ。肌に合ってないんだよ、今が。」
「えーでも、結構昔から、生まれた時くらいからなんですけど。」
「鼻はいつから?」
「幼稚園くらいからかなあ」
「君の本能的な部分が、何かを拒絶したの。病気ってどこから来るか知ってる?」
「気ですよね?」
「その気はどこからきたの?」
「えー・・・どこから・・?・・・・わかりません。」
「だって君自身は、もともと鼻悪くなかったんでしょ?なら、何かを取り入れたからそうなったの。もう感じたくない、受け入れたくない、こんなのもういや、ってのが鼻が悪くなること。そういう繊細な、本能的な部分をシャットアウトするの。それは、その時何があったかが分ればわかるよ。」
「何があったか・・?」
「病気はね、もらうんだよ。誰からもらったと思う?」
「えー、・・・親ですか?」
「うん、そう。子供の病気は親からもらうの。子供は親に対して無償の愛情を抱いてるから、親が困ってると、それを愛そうとするの。助けようとするの。親を止めるため、子供が病気になるの。子供が病気になると、親は自分自身に戻る。でも君のお父さんやお母さんは、それもしてこなかったんだね。」
「うーん・・幼稚園の頃、何があったんだろう?思い出せない・・・」
「違うよ、思い出したくないんだよ」
「そうなのかなあ。」
「じゃあ、君が思い出せる最も古い記憶はなあに?楽しい記憶?つらい記憶?どっちを先に思い出す?」
「たぶん一番古い記憶は、楽しいとかつらいとかじゃなくて、お母さんが妹の出産で病院に行っていて、家にいなくて、おばあちゃんが家に来ていて、冷蔵庫のそばに2人で立っているシーンです。」
「それは何歳のとき?」
「3歳くらいですね、妹の出産だから。」
「もう‘感じない’ができてるんだね。」
「感じない?」
「鼻は感じるところでしょ?感性を。だって、妹が生まれるんだったら、何か感情が生まれるはずだよ、うれしい、とか、ママはもう自分だけのものじゃない、っていう嫉妬とかさ。鼻が悪くなることで、感じないようにさせるの、それを。」
「・・・今、その時のシーンを思い出して、入っていますけど、そうですね。おかあさんがいなくて、寂しかったのかも。不安とか。それがきっかけですか?」
「うん。不感症になることで、自分を守るの。でもそうやって感性にぶらせていくと、君、子宮だめになっちゃうよ。だって、女性性は感じる場所だから。君、感じてる?」
「感じてると思いますけど・・。」
「あー、そこじゃないよ。何を感じてるの?」
「・・・感情?・・」
「感情はいっぱいあるでしょ?どれを感じているの?」
「あー、、、そうですね。・・そういわれると、いつも頭でばっかり考えていて、感情を感じよう、とはしていないかもしれないですね。」
「でしょう?そうすると、子宮がだめになっちゃうよー。感じないとー。女性なんだから。」
「そうですね。あー、なんか泣きたくなってきた。」
「感じて、表現するのが女性だよ。やってもらわないとねー。だから肌にあわないんだよー。だって自分が感じることをシャットアウトしているから。」
このあたりで、もうなんだか、わけのわからない感情がぶわーっとこみ上げてきて、ついに涙腺が崩壊してしまいました。