痴話げんか2-⑥ | ウォンキュ☆ひたすら妄想~

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superjuniorのシウォン(siwon)とキュヒョン(kyuhyun)のふたり
ウォンキュ(wonkyu)がベースな小説展開中。
が、いろんなカプも活躍中!!


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「うなだれてるあいつ、何とかしてやってくれよな・・・」

 


イトゥク先生に言われて胸が熱くなったものの、やっぱり頭で考えてしまうので

「何とかしてと言われても・・・」とつい言ってしまった。

 


だって、どうすればいいかなんてわからない。

 


(こんなにみんなを巻き込んで俺たち二人はいったい何やってるんだろ。)

って思ったらいたたまれなくなった。

 


きっかけが掴めない。

 


結局自分の嫉妬心が原因だったし、シウォン先生が悪いわけでは・・・

少したって気持ちが落ち着けば、何でもないことだったのに・・・

 


どうしてあの人はこうも物事を大きく複雑にしてしまうんだろ。

 


はぁ・・・

 


思わずため息が出てしまった。

 


「キュヒョ~ン。そんな大きなため息つかないの!幸せが逃げちゃうよ~」

 


リョウクが自分の前に立ったので見上げるときゃきゃきゃと笑いながら腕を引っ張られ

ソファーから引きはがされた。

 


「え?」

 


「ほらほら、早くシウォン先生の所へ行かないと・・・」

 


「う、うん・・・でも・・・」

 


「でも?」

 


「あ、いや・・・」

 


なんで自分から折れなきゃなんないのかって思ってるから体が動かない。

 


「キュヒョンの気持ちわかるよ。でもここはキュヒョンからじゃないと・・・

シウォン先生を凹ませられるのも、浮上させられるのも

キュヒョンにしかできないんだからね~。ふふふ。」

 


(何でリョウクにはわかるんだろ・・・)

ちょっと不思議な気持ちでリョウクを見た。

リョウクに「ねっ!」って言われてがんばっ!ってポーズを決められたらなんだか心が軽くなった。

 


そうだよな。グズグズしててもしょうがない。
胸の中でいろんな思いが渦巻く中、キュヒョンはカウンターを見やった。

 


ヒチョル先生の射るような目がこちらをみていた。

 


(えっと、怖いんですけど。)

思わずドンへの方を見ると、苦笑いして手招きでヒチョルを呼んでくれた。
ヒチョルがこちらに向かって歩いて来て、横を通る瞬間、
「全くめんどくせーなー。」と言って頭をポンポンと叩かれた。


思わずニヤリと笑ってしまった。

 


今度はイェソンと目が合った。クールな瞳で見つめられ、ちょっとたじろぐ。
そして表情を変えず立ち上がるとこちらへ向かってきた。
リョウクが後ろで「早く早く!」と手招きをしている。

 


「何も遠慮せず思ったこといってやれ。」すれ違いざま肩をポンと叩かれた。

 


全くみんなお節介なんだから。

 


多少の居心地の悪さと照れ臭さに咳払いをして、カウンターに突っ伏すシウォンをみて、
スッと息を吸って深呼吸し、そっと歩き始めた。

 


シウォンの隣りに座っていたウニョクがそっと席を立ち、こちらに向かってきて
バトンタッチと言わんばかりに腕をあげてきたので、
キュヒョンも手をあげそっとハイタッチをした。

 


さぁ、ここからだ。

 


キュヒョンはさっきまでウニョクが座っていた場所に腰を降ろし、

カウンターに突っ伏して悲嘆にくれるシウォンを見やった。

 


サマーセーターの丸首からのぞく襟足から耳の後ろのラインを見ていると
なんとも言えない感覚に襲われ、かぶりつきたい衝動にかられた。

 

 

 

 


耳にフーと息をかけた。

 

 

 

「やめろよ・・・」

 


突っ伏したままシウォンがつぶやいた。

 


もう一度、今度はちょっと強めに息を吹きかけた。

 


「だからやめろって・・・」

 


シウォンが手で耳を隠した。

 


キュヒョンはその手をそっと外した。

 


すると、「あっち行け。」と言わんばかりに、その手がシッシッと動いた。

 

多分、ウニョクと間違っているんだろう。キュヒョンのいたずら心に火が付いた。

 

その手を制し、いきなりシウォンの耳に噛みついた。

 

「うわっ!ウニョク!お前何するんだ・・・えぇっ?」

 

ウニョクだと思って顔を上げたが、目の前にいたのはキュヒョンだった。

 

「えぇ?」右を見た。


「えぇ?」左を見た。


「えぇ・・・えっ???」

 

半分イスから崩れ落ちそうになりながら自分の周りにいたはずの
ヒチョルを、イェソンを、ウニョクを探し、いつのまにか離れたところでこちらの
様子をうかがっているみんなをキュヒョン越しに見つけた。

 


「え?い、いつの間に???」

 

 

今の状況がのみ込めず、赤くなったり青くなったりしてあたふたしているシウォンが
なんだか可愛く見えて顔がにやけるのを押えるのが大変だった。

 


「何してんだよ。」わざとちょっと仏頂面で切り出した。

 

「え・・・いや・・・別に・・・」視線を合わせないシウォン。

 

「ふーん。」ちょっと小バカにした感じのキュヒョン。

 

「いや、あの・・・」まだ合わせないシウォン。

 


「おでこ・・・真っ赤だよ。」クスっと笑いながらのキュヒョン。

 


「え・・・?」慌てて額を擦るシウォン。

 


「擦ったって取れないよ。」クツクツと笑うキュヒョン。

 


「あ、あぁ・・・いやぁ・・・」頭をかくシウォン。

 


「何みんな巻き込んでんだよ。」不服そうに口をとがらせるキュヒョン。

 


「ま、巻き込んでないよ・・・」慌てて否定するシウォン。

 


「ふーん。」口角を上げ口の片側で笑うキュヒョン。

 


「”ふーん。”ってなんだよ”ふーん。”って・・・」ちょっと反論してみるシウォン。

 


「だって”ふーん。”だから・・・」ちょっと拗ねるキュヒョン。

 


「ふーん。・・・」まんざらじゃないシウォン。

 


「マネすんなよ。」シウォンの肩を押すキュヒョン。

 

その手をシウォンが取り、お互いの視線が交差した5秒後
キュヒョンはシウォンのその胸に抱きしめられていた。
ちょっと抵抗はしたものの、安心感の方が際立った。


 

「シウォンのパボ・・・」 つぶやくキュヒョン。

 

「あぁ、俺はほんとにバカだな・・・」 髪に顔をうずめるシウォン。



大きく息を吸い込んだキュヒョンはシウォンの香りを胸いっぱいに感じた。