改善、回復、緩和などの文字が並ぶ宣伝フレーズが目立つ「とある本の紹介チラシ」。新聞にはさまっていました。はて、その主語は何かしら?と見てみると、ど真ん中に「もみ手」…と書かれているように脳がキャッチしました。え?もみ手?おべっか使ったりお世辞言ったりすることの比喩として使われるあの「もみ手」?それを更に高める指南書?そんな本あるの?しかも結構売れてます的な文言も…今って、もみ手を極めるブームが来ているのかとすら想像してしまいました。
確かに世知辛さが身にしみる世の中(優しい世界もありますが)。もみ手を極め、出世や金儲けに繋ぐ方法があるなら知りたくないと言えば嘘になりますが…。現代社会のニューノーマルというか、巡り巡ってリバイバル的に広がる(昔から点取り虫や太鼓持ちなど、お世辞ばかり言う人は時代ごとに呼び名があって、認識もされていましたし)価値観として理解すべきなのでしょうか。
…なーんて、完全なる勘違いでした。「もみ手」と見間違えたのは「手もみ」。手で患部をマッサージしたりさすったり伸ばしたりすることで、痛み、血流の不調、こわばりなどの体の滞りが解消され、楽になるよ!的な内容が書かれたチラシでした。本書は自分でもできる簡単なアプローチ方法が沢山記載されているようです。あー、そっちの!手で揉む方のね!揉み方も色々あるしね!とすっかり納得しました。こちらも(緊張気味の時は特に)よく足がつる私にとっては、知りたくないと言えば嘘になりますが…な本ですね。
もみ手。正確には「揉み手」と書いて「もみで」と読みます。左右の手をこすり合わせるような仕草で、相手を褒めたり媚びたり頼み込んだり、とにかく下手に出てお願いを聞いてもらおうとすることですね。「手を揉みしだく」という言い方もあります。これは、お世辞を言うことの比喩として使われる以外にも意味があります。悔しさや怒りを感じたときに思わず激しめに両手をモミモミする様子をあらわすのです。
もしも激しめに左右の手をモミモミしたら「何かしらのツボ」が刺激され、心が落ち着くならば「『揉みしだく』『手もみ』でリラックス」と指南書に書かれていたりして。手もみと揉み手がある意味重なる偶然、起きないかな。