私より少し上の世代の方から聞いた話です。小学校高学年くらいの頃、学校をサボりたくなる日が多々生じたそうです。「5~6年生の時、結構行きたくなくて。どうしたらサボれるかなってずっと考えていたんだよね」と彼女。特に学内で問題を抱えていた訳では無かったそうなのですが、「ただ家にいてゴロゴロダラダラして、親にチヤホヤ世話を焼かれたい」という願望で脳内があふれていたのだとか。最初は起き抜けにふらつく足取りで「具合が悪い、頭が痛い」等と母君に不調を訴える演技をしていたそうですが、体温を計ると平熱とバレてしまい、「平熱じゃない。いいから行きなさい!」と母君に追い出されるように学校へ行かされるパターンがオキマリだったようで。思案の結果、「体温が高くなったら休める」と結論づけた彼女は、体温計に細工をしようと試みます。当時水銀を使った体温計が主流でしたから(デジタルタイプの普及はもう少し後のイメージがあります)、「具合が悪い」➡「体温計ではかりなさい」➡水銀体温計を持ちコッソリ台所へ➡ご飯が入った炊飯器の中または、お茶の入った湯飲みの中に体温計を突っ込む➡温度がある程度(38度前後)上がったら取り出して、振って微調整➡母君に見せて「熱があるよ」と更に伝える➡お休み決定…ダーラダラ。そんなことを繰り返していたそうです。小学校卒業までは水銀体温計を使い偽装工作をしながら休みをゲットしていたとか。
「バレたこと無かったんですか?」と聞いたら、「焼き魚に体温計突っ込んだときは、現場を見られて現行犯で叱られたねぇ」とポツリ。焼き魚…確かに内部温度は高そうですが。魚に穴があくという物的証拠が残ることが懸念されます。