書き手によってイラストの趣はもちろん違いますが、キャラクターの性格は統一されているのもまた読みやすさの要因だと思います。その姉妹はいついかなる時も不幸で、古い家屋の床の上に立てば床が抜けてしまい、買い物に行けばお目当てのものは売り切れ、部屋を開けようとしたらドアノブが外れてしまって…という不幸三昧。それでも不幸が強みと不敵にわらう姉妹に、今日も勇気づけられるのでした。
定期的に読んでいる漫画に「不幸に苦しむがそれを自慢や強みにしている姉妹」という何とも不思議なストーリーが存在します。「ああ、不幸だわ」と言いながらも「姉妹は不幸ですね」と言われると自慢げに「そうなのよ。こんなに不幸な姉妹はいなくってよ」と誇らしくしているのでついつい笑ってしまいます。この漫画はゲームを元にして作られたアンソロジーコミック…いわゆる同人誌ですが、私はゲームをするよりもこのアンソロジーコミックの魅力にすっかり惹き付けられてしまっている次第です。ゲームのなかでは見ることができないキャラクターの創作のお話が沢山読めるのは嬉しいな、と思うのです。