メガネを数個持っているのですが、その中に「私個人の嗜好では選べなかったメガネ」がひとつあります。名前もあります。メガネに名前をつけるなど結構なあれですが、「ジョアンナ」と命名し、3年ほど使用しています。他のメガネたちは黒か紺色の縁取りで大人しい佇まいを醸し出しているのですが、ジョアンナは何とも言えない赤茶色をしており、細目で四角いツンとした縁取り、つるの根元には赤いルビー(もちろんイミテーション)が埋め込まれ…とにかく派手な仕様なのです。
かけるとうきます。
何となくではなく、「誰だい…」と自問自答する謎の華やかさ。フィット感は抜群なのですが。
実はジョアンナは私ではなく、とあるメガネ店の同世代と思わしきレディが選んでくれたものでした。可愛いもの、華やかなものが好きだというレディ。あれこれ選んでくれているうちにこのジョアンナにたどり着きました。
レディ「いいです。かわいいですよ」
蜜「…いや、でもこれ何だか派手な気が…」
レディ「いやいやいや、お値段もデザインもかわいめ(?)で、おすすめです。(私に鏡を更に近づけ)わぁ、かわいい」
蜜「…華やかすぎやしませんか」
レディ「いいえ、齋藤さまにはこれぐらいがきまります。このブランド毎回新作がかわいいんです。私じゃできないいです!」
蜜「!?」
レディ「私には似合わないんです。だからかけてほしいんですっ」
…という謎の問答の末に購入。おまけもしてもらったし実際軽くて使いやすいので気に入っていますが、こんなセールストークで売られたこと、後にも先にもありません。