帰宅時にタクシーのお世話になった時のことです。
交差点手前の最前列で、赤信号停車をしました。横断歩道を横切る人々の流れをぼんやり眺めて、青になるのを待つ…ごく普通の光景に何やらちょっとだけ違和感が。60代くらいの運転手の殿方、同じく隣に停車していた同種の車に手を軽く振っていらしたのです。すると、隣り合っていた同世代くらいの運転手の殿方もびっくりされたように手を振りかえしておられるのです。
ほどなく信号は青になり、私達は直進、お隣は左折をされたのですが、殿方に
「お知り合いでしたか?」
と伺うと、
「そうなんですよ。同僚で…、隣り合うなんてあまりにも偶然すぎて…、失礼いたしました」
と、照れ臭そうに笑われていました。
予期せぬ遭遇がほのぼのさを与えてくれる…、そんな廻り合わせは皆に平等に備えられているのがも知れません。
「すみません、次の信号曲がった所で降ります」
トイレットペーパーが底をついてしまったので、ちょっくら白巻き紙たちとめぐりあって一日が終わりました。