ブログネタ:達成感を感じる時
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後藤はある達成感を感じていたが、それ以上に苦悩していた。
確かに私はブラックホールを発見した。
それが127億光年もの彼方にある超巨大ブラックホールだとして名誉ある日本人となった。
しかしだからなんだというのだ。
もしも私の発見によりブラックホールの形成過程を解明出来たところで
本当に人類への貢献となるのか。本当に人類の幸福に繋がるのか。
そもそも人類とは誰だ。
貢献したい幸福とは何だ。
私は誰に対して一体何を貢献出来ているのか。
それは本当に私が貢献したいものなのか。
それを私が貢献したい人間に貢献出来ているのか。私自身にすら判らない。
それでも私がこのまま宇宙を観測し続け宇宙の謎を解明したとしよう。
だからといってその発見により不幸の渦中にいる人々を救い出す事が出来るのだろうか。
例えば飲酒運転による追突事故により子供が死亡した事故。彼らが生き返りでもするのか。
事故が起こらなかった世界と現実を挿げ替える事が出来るようになるとでも言うのか。
そんなはずはない。
このまま宇宙の謎が判らずとも子供を失った夫婦は憐れなままであるし、
もし宇宙の謎を解明出来たとしても彼ら夫婦はずっと憐れであり続けるしかないのだ。
もちろん憐れなのは彼らだけではない。
それどころか世間を見渡せば憐れな人間ばかりじゃないか!
男が女を殴り女は男を騙し親が子供を疑い
子供は親を殺す憐憫が吹雪き続ける凍えた浮世!
人間のみならず、全ての生命が、全ての物質が、全宇宙が、憐れむべき存在だ!
宇宙が真っ暗なのは
宇宙自体が全てを不幸へと飲み込むブラックホールだからという訳だ!
こんな憐れな世界を神は一体何の為に創り出したというのか!
きっと神自身も不憫な存在だったのだろう!
なんたる憐れな世界!
神はとにかく全てをお憐れになられたいようだ!
いいだろう!それなら私は神の望み通り最も暗い不幸な世界、
ブラックホールの中のブラックホールへ自ら飛び込んでやろうじゃないか!!
ペロペロペロペロ!!!
後藤はそのままアンナ嬢のブラックホールにその舌を舐めこみ回し
そのまま無理やり顔面をも突っ込こもうとした。
「ちょ、ちょっと!やめてよ!変態!!」
「私をもっと憐れんでくれ!私をブラックホールへ飛び込ませてくれ!!」
「もー!一回だけですからね!」
そう言うとアンナ嬢はしぶしぶ子宮の中へ後藤を迎え入れた。
アンナ嬢の子宮の中で胎児のように体を丸め込み安らかな表情で眠る後藤。
暗闇かと思われたその中は不思議と青白い輝きに満ちており、
宇宙の始まりがそこにはあったのだった。
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