身勝手な選択【61】 | 高橋秀之の小説

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作品の内容、人物の名前等すべてフィクションです。

この物語は

フィクションであり、登場人物等他

実在するものと一切関係ありません。


身勝手な選択【61】


 その頃、高杉と石垣の両刑事は西淀川警察署で、内海、西尾刑事らと

話し合っていた。


 『と、いうことは、丸尾誠子殺しの犯人にまだ辿り着いていないのですね?』

 高杉が、内海に問いかけている。

 「そうですねん。不審者が目撃されていますし、ガイシャが暴行を受けていた

という点からホシの血液型は分かっています。だから早いと睨んでたんやけど

てこずってます。ホシの血液型はA型、橋本はO型、南はAB型です。空振りで

した。ガイシャの交友関係を調べまわっているんですけど、美人なのにこれと

いって目ぼしい男の情報がつかめませんのや。そこで明日、不審人物の目撃

者に一緒に病院に出向いて貰い院内を歩き回って貰おうと計画しています」

 『そうですか』

 高杉は、そう口にしながら、また眼鏡男の西尾が自分を見つめているのに気

がついた。


 「星野宏美殺しの方は、どうですねん?」

 今度は、内海が高杉に問いかけた。

 『ご存知のように、実行犯は丸尾誠子でしょうね』

 「被疑者死亡で書類送検するしかないな」

 横から石垣刑事が口を挟む。


 『でも、丸尾誠子が星野宏美を殺すという動機が分からないのです』

 「和歌山で高杉さんが言われてましたな、交換殺人かも知れんと。そう見た

場合、丸尾が橋本に教唆されたとは考えられませんか?」

 『しかし、その丸尾誠子を殺したのは橋本でも南でも無いわけでしょう?橋本

が教唆したとか共謀したとかは立証しにくいでしょうね』


 眼鏡男が、

 「丸尾誠子が、なぜ太地に行ったか、だよね」と口を挟んで、高杉を見つめる。

 高杉は、その視線にも言葉にも気づかない素振りをして目を窓の外に向けた。

 

 眼鏡男は、高杉に無視されているのを不服そうに

 「我々が睨んだように橋本と丸尾の間に何かがあり、高杉さんが睨んだように

橋本が交換殺人の実行のため太地に行ったとき、丸尾誠子は後をつけ、そこで

星野に出会い、橋本と星野との間に恋愛感情があるのではと思い殺したとは考え

られませんか?」と言い高杉を見つめた。


 高杉は興味深い着眼点だと思いながらも

 『それを、立証できますか?』と眼鏡男を見つめた。

 眼鏡男は、自分の説に応えてくれ高杉に見つめられたので嬉しそうに

 「それが、我々刑事の仕事ですよ」と胸を張るように言った。


 『内海さんらが明日、丸尾誠子のマンション周囲をうろついていた人物の面通し

をされるというのなら、わたしたちももう少し大阪にいて結果を聞かせて貰います』

と言って、高杉が立ち上がった。


 内海が

 「あー、そうでっか、あと2~3日、大阪に。ところで高杉さんは独身でっか?」と

 高杉を見た。

 『えっ?そうですけど。それが何か?』

 「いやあ、実は、このうちの西尾君ですけどな、和歌山で高杉さんを見たときから

高杉さんに惚れておりますねん」

 高杉は、その返事に困った。

 そのとき、横から石垣刑事が

 『あっはっは、そんなことやめなはれ、こんな気の強い女と結婚したら尻に敷かれ

るで』と口を出し、高杉はその場を逃れた。