青いポスト | 小劇場クルーズ~この素晴らしき役者たち~

小劇場クルーズ~この素晴らしき役者たち~

最も身近で自由な表現方法である筈の演劇なのに、ごく一部の人々がその恩恵に浴しているだけの現状はとても寂しい。
人知れず才能と輝きを秘めた役者や深い感動をもたらす舞台が、星の瞬きのように次々と光っては消えを繰り返し永遠に忘れられるでは、本当に勿体ない。

アマヤドリ『青いポスト』[於:王子・花まる学習会王子小劇場、~ 2017/12/03 (日)]を観てきました。

 

 

自分たちが追求してきた身体と空間にまつわる作品を、女性のみのキャストでお届けします。

 

: 都市を生きる女たちの物語です。倫理を超えた場所で生きている双子ちゃんと、どうしようもなく他者に執着する女を中心にして、女たちが届けたくても届けられなかったものたち、あるいは、間違ったところに間違ったタイミングで届いてしまったものたちを描いてみたいと思います。

 

                                                   ~説明文より抜粋~

 

 

 

 

架空の近未来社会の下、陰気できな臭い思想がはびこり暴走する、集団心理の怖さを描く。

 

大袈裟で悲観的、ヒステリックで画一的な日本社会が抱える閉鎖的で脆弱な側面に対する批判精神を得意のシンプルでセンスの良い舞台装置と身体表現、叫び・苛立ち・長台詞等、飽きさせぬ演出で魅せます。

大好きな『うれしい悲鳴』のテイストにも通ずる- 台詞が頭の上をポンポン飛び交い、心地よく翻弄されて矢継ぎ早に心を揺さぶって来るこの感覚-とてもフィジカルで脳にもきっといい刺激を与えてくれそう(笑)

 

全体を覆うどこか中性的で無機質な冷たい肌触りの透明感に対し、全てを飲み込み吹き飛ばす力強いダンスとの対比が秀逸-

 

躍動感とダークファンタジーの世界観、スケール感をそっくりそのままに普段の公演規模を縮小した、今公演はある意味とてもプレミアムで贅沢。アマヤドリファンにとっては堪らない特別な空間となった。

 

斯く言う私も小角まやさんと笠井里美さんの大ファンですが、最近では古澤美樹さんがかなり良いです。(偉そうで、すみませんひゃ~・・・

この劇団は本当にいい役者が揃ってる。

 

お勧め。

 

 

こんな性格の悪い奴いるよね!?的な悪っる~い嫌な奴を怪演-見事な掛け合いを披露したお二人、左から:相葉るかさん、相葉りこさん