避暑山荘:晴碧亭 | 古代文化研究所

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古代文化には、多くの疑問や問題が存在する。そういうものを日向国から検証していきたい。

○2024年3月1日、承徳市の避暑山荘を訪れ、宮殿区から湖泊区へと下りて来た。3月だと言うのに、湖水面は、一面、真っ白だったのに、驚いた。日本の、それも、南九州からやって着た者にとっては、衝撃の光景だった。

○何しろ、湖面が一面凍っている風景など、初めて見た。それに、氷の厚さが尋常では無い。たぶん、30~50センチ以上、一メートル近くもあるのかも知れない。そんな感じだった。初めて見る光景に、相当、興奮した。

○あらためて、避暑山荘の広大さを実感させられた。ここは、とても一日二日で見尽くせるものではない。そのことを痛感した。今回の一日だけの避暑山荘訪問など、まず下見に過ぎない。そのことを理解できただけでも良かった。当然、再度訪問する必要がある。

○今回、特に時間を掛けて、丁寧に見て回ったのが宮殿区だった。その規模の大きさに圧倒されてしまった。避暑山荘がどんなものか。そのことは、この宮殿区を訪れただけでも、了解されると言うものだった。

○昨年9月に、蘇州を訪れ、『蘇州四大園林』を全て見学して来た。『蘇州四大園林』とは、留園・拙政園・滄浪亭・獅子林を指す。その時、中国の庭園が中国文化の粋であることを実感した。それで、承徳市の避暑山荘や北京の頤和園を見学したいと思った。

○と言うのも、中国には、『中国四大名园』なるものが存在すると言う。

  拙政园 江苏省苏州市 编号121-74

  颐和园 北京市海淀区 编号122-75

  避暑山庄 河北省承德市 编号123-76

  留园 江苏省苏州市 编号124-77

せっかくなら、それを全て見てみたいと思った。それが今回の「北京漫歩」の旅だった。

○3月の承徳市の避暑山荘は、まだ真冬の様相だった。ここは、もともと、避暑山荘なのである。訪れるには季節を間違った感がしないでもない。避暑山荘が、最も避暑山荘らしいのは、やはり、真夏なのかも知れない。そんな気がした。

○それでも、この季節に、ここを訪れた価値は、大いにあった。この承徳や北京の冬がどんなものか。日本の、それも、南九州に住んでいる者には、想像だにできない。そんな凄まじい冬の風景を眺められただけでも、有り難い。

○湖泊区へと下りて来たところに、小さな亭が存在した。案内図に『晴碧亭』とあった。インターネット検索したところ、次のページがヒットした。

      晴碧亭

    晴碧亭,为北坡下临湖的一座八角重檐亭,是康熙处理政务之余休息观景之处,

  也是游览湖区的御舟停泊处。

   康熙取苏轼“水光潋滟晴方好”和杨万里“接天莲叶无穷碧”的晴碧二字题额“晴碧亭”。

  乾隆四十年(1782年)曾写一首《晴碧亭忆旧》诗,追忆他少年时被祖父呼唤到此亭

  的情景。

   诗曰:“万壑松风山之阴,枕溪有亭曰晴碧。我年十二随至此,即指殿旁为赐它。

  望见御舟泊亭畔,呼名趋下层严壁。顾谓勿疾恐蹉跌,是即初蒙恩眷日。” 

○3月の晴碧亭は、氷の中に閉ざされていた。この季節、避暑山荘を訪れる方が間違っている。そういうことを、ここに来て、初めて理解した。ただ、この季節に、ここを訪れて、理解できたことも多い。何とも、充実した旅だった。