西湖 | 古代文化研究所

古代文化研究所

古代文化には、多くの疑問や問題が存在する。そういうものを日向国から検証していきたい。

○杭州西湖を訪れるのは、今回が5回目になる。ただ、西湖については、ブログに満足に書いていない気がした。それで、確認してみると、最初の杭州西湖訪問(2021年)で、次のブログを書いていた。如何にも観光客目線で西湖を見ている。

  ・テーマ「江南の秋」:ブログ『西湖』

  西湖 | 古代文化研究所 (ameblo.jp)

○二回目の杭州西湖訪問は2012年11月で、この時から、一人旅となった。すでに、この時には文学散歩としての西湖が描かれている。

  ・テーマ「白居易の愛した佛都・杭州」:ブログ『西湖:案内』

  西湖:案内 | 古代文化研究所 (ameblo.jp)

○この時には、別に、もう一つ、次のブログも書いている。

  ・テーマ「白居易の愛した佛都・杭州」:ブログ『西湖遊覧』

  西湖遊覧 | 古代文化研究所 (ameblo.jp)

すでに、この時、次の感慨を書いている。

  ・西湖を愛した風流人が敬虔な仏教徒であったことも見逃せない。畢竟、

  西湖遊覧は寺社参詣になる。寺社に参詣して、人生を問い、来世を希求

  する。それが本当の西湖遊覧なのではないか。現世は前世の結果であり、

  後世への過渡期に過ぎない。そういうふうに、三世世界を見渡せる人のみ

  が見物できるのが、本当の西湖遊覧なのかも知れない。

○このテーマ「白居易の愛した佛都・杭州」では、白居易の詩を十編訳しているし、併せて、楊万里「曉出淨慈寺送林子方」や蘇軾「飲湖上初晴後雨」、張祜「早春錢塘湖晩眺」なども訳して案内している。

○三度目の杭州西湖訪問は2013年3月だった。この時の最大の目的は径山寺参詣にあった。中国五山は、次の寺を指す。

    班位  位 次   寺 名   寺号・具名       位置 状態
    五山  五山之上  天界寺   大龍翔集慶禅寺     南京 廃寺
    五山  第1位    径山寺   径山興聖万寿禅寺    杭州余杭 現存
    五山  第2位    霊隠寺   北山景徳霊隠禅寺    杭州 現存
    五山  第3位    天童寺   太白山天童景徳禅寺   寧波 現存
    五山  第4位    浄慈寺   南山浄慈報恩光孝禅寺  杭州 現存
    五山  第5位    阿育王寺  阿育王山広利禅寺    寧波 現存

○このうち、霊隠寺と浄慈寺は、杭州西湖に存在し、天童寺と阿育王寺は寧波にある。したがって、当古代文化研究所がまだ参詣していないのは、杭州余杭の径山寺だけだった。それで、一念発起、杭州余杭の径山寺を目指すこととした。

○杭州余杭の径山寺は、杭州からも遠い。バスで一時間ほど西へ向かい、そこで、バスを乗り換え、さらに一時間ほどで、やっと径山寺である。嘗て、多くの日本人僧侶がこの径山寺を目指して、中国を訪れている。径山寺は何とも深い、山の中にあった。

○最後に杭州西湖を訪れたのは、2015年11月のことで、この時は、寧波在住の李さんを呼んで会稽(現在の紹興)と杭州を案内していただいた。日本人の私が見る会稽・杭州と、中国人である李さんが見る会稽・杭州とは違うのではないかと思ったからである。

○会稽では、大禹陵と蘭亭へ二人で出掛け、杭州では、霊隠寺と浄慈寺に参詣した。これが私が会稽と杭州で最も気になるところだったからである。李さんは、私が会稽や杭州に詳しいことにびっくりしていた。

○そして、今回、2023年9月10日が五回目の杭州西湖訪問だった。武林门站から、杭州公交28路に乗って、西湖を目指した。終点の植物園前がすでに、西湖のほとりである。今日は、終日、杭州西湖を楽しみたい。