枕詞「天降付く」天の香具山の風景 | 古代文化研究所

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古代文化には、多くの疑問や問題が存在する。そういうものを日向国から検証していきたい。

○前回、ブログ『邪馬台国三山とは何か』を書いて、奈良県橿原市に存在する大和三山の原型が、次の邪馬台国三山であることを書いた。

  ・うねびやま=霧島山(1700m)
  ・かぐやま=桜島山(1111m)
  ・みみなしやま=開聞岳(924m)

○日向国では、「うねびやま」は完璧に『うねっている山』として存在するし、「かぐやま」は申し分なく『光り輝く山』だ存在し、「みみなしやま」も『境界を成す山』として存在している。そういうことを、大和国の大和三山では説明できない。つまり、大和国の大和三山が日向国の邪馬台国三山のレプリカであることが判る。

○それでも、邪馬台国三山など、信じられないとおっしゃる方が居るかもしれない。それ程、とんでもない話が邪馬台国三山なのである。ただ、日向国から日本は始まった。そのことは「古事記」や「日本書紀」が記録している。

○しかし、それがどういうことか。日向国について、誰も真面目に研究すら、なさらない。それでは、満足に日本の歴史は語れない。日本人は何処から来て、何処へ行くのか。誰でも気になることだと思うのだが。それで当古代文化研究所では、そういう研究をしている。

○邪馬台国三山が大和三山の原型であることを証明するのに、格好の材料がある。それが枕詞である。前にも、ブログ『そらみつ やまと』を書いて、大和地名が日向国のものであることを証明している。

  ・テーマ「日向国の万葉学」:ブログ『そらみつ やまと』

  そらみつ やまと | 古代文化研究所 (ameblo.jp)

○同じように、枕詞には、香具山にしか掛からない枕詞が存在する。それが枕詞「天降付く」である。ただ、残念なことに、誰も枕詞「天降付く」がどんなものであるかを知らない。かの大野晋の岩波古語辞典にしたところで、次のように説明しているに過ぎない。
      天降りつく
   [枕詞]香具山が天から降下したという伝説によって、「香具山」にかかる。
  「天降りつく天の香具山霞立つ春に至れば」(万葉二五七)

○岩波書店の日本古典文学大系本「万葉集一」の注に、
      天降り付く
  天から降って下界についた。当時香具山にそのような伝説があった。伊予国風土記の逸文に
  その記事がある。(補注参照)
とあるから、その補注を見ると、
      天降り付く
  釈日本紀に引用する伊予国風土記に「倭在天加具山自天天降時、

  二分而以片端天降於倭国以片端天降於此土、因謂天山也」とある。

と載せるくらいで、とんと要領を得ない。

○つまり、誰も満足に枕詞「天降付く」を研究していないし、もちろん、枕詞「天降付く」がどういうものであるかを、理解できていないのである。何とも、寂しい話である。

○当古代文化研究所では、もちろん、枕詞「天降付く」を研究済みである。その最初は、2012年10月17日に書いた次のブログになる。

  ・テーマ「竹島・硫黄島・黒島」:ブログ『天降付く天の香具山』

  天降付く天の香具山 | 古代文化研究所 (ameblo.jp)

○そして、実際、枕詞「天降付く」を見たのが2012年12月4日で、午後4時40分くらいから午後5時40分までのあいだだった。場所は、鹿児島県霧島市の福山港だった。それはそれは感動的な風景であった。

  ・テーマ「竹島・硫黄島・黒島」:ブログ『枕詞「天降り付く」の真実』

  枕詞「天降り付く」の真実 | 古代文化研究所 (ameblo.jp)

○日向国では、二十一世紀の現代に於いても、枕詞「天降付く」天の香具山の風景を現実に、目にすることができる。これが言葉の力であり、枕詞の恐ろしさである。そういうことを万葉学者先生は、何もご存じ無い。何とも残念な話である。

○ところが、この、枕詞「天降付く」天の香具山の風景が世に出て、再び、驚かされた。それが『山頂に沈む夕日 「ダイヤモンド桜島」』になる。時は、2018年12月13日夕方のことであった。その話を書いたのが、次のブログになる。

  ・テーマ「日向国の万葉学」:ブログ『山頂に沈む夕日 「ダイヤモンド桜島」』

  山頂に沈む夕日 「ダイヤモンド桜島」 | 古代文化研究所 (ameblo.jp)

○話を総合すると、霧島市の情報提供で、マスコミが飛び付いたことであるらしい。思わず、笑ってしまった。「万葉集」が記録する枕詞「天降付く」の風景を見て、それを『山頂に沈む夕日 「ダイヤモンド桜島」』としか、認識できない、非文化人が日本のマスコミなのである。それがNHKであり朝日新聞だと言うのだから、ただもう、驚き呆れるしかない。この国の文化程度はそれくらいのものだと言うことがよく判る。いまどき「万葉集」など、誰も知らないし、読まないのである。それを案内出来ない万葉学者先生に、最も非があることは言うまでもない。

○このことについて、当古代文化研究所では、すでに145回に渡って詳細な検証を加えている。詳しくは、そちらを参照されたい。

  ・テーマ「日向国の万葉学」:ブログ『枕詞「天降付く」が教えること』

  枕詞「天降付く」が教えること | 古代文化研究所 (ameblo.jp)

  ・テーマ「日向国の万葉学」:ブログ『枕詞「天降付く」が教えること:其一百四十五』

  枕詞「天降付く」が教えること:其一百四十五 | 古代文化研究所 (ameblo.jp)

○今年、2023年1月8日にも、枕詞「天降付く」天の香具山の風景を見に出掛けている。

  ・テーマ「日向国の万葉学」:ブログ『天降付く天の香具山の風景』

  天降付く天の香具山の風景 | 古代文化研究所 (ameblo.jp)