天孫降臨の世界山が畝傍山であること | 古代文化研究所

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古代文化には、多くの疑問や問題が存在する。そういうものを日向国から検証していきたい。

○私見によれば、「万葉集」には香具山が十四回、畝傍山が六回、耳成山が三回記録されている。そのことについては、次のブログに詳しく書いている。

  ・テーマ「大和三山」:ブログ『万葉集が記録する大和三山』

  万葉集が記録する大和三山 | 古代文化研究所 (ameblo.jp)

○意外なことに、大和三山を最も詳述しているのは、「古事記」や「日本書紀」では無くて、「万葉集」なのである。したがって、誰もが「万葉集」を通じて大和三山を理解している。そういう事実を誰もご存じ無いから、妙な大和三山認識がまかり通っている。

○そのことは、前回、ブログ『久し振りの邪馬台国三山』で案内した奈良県橿原市のホームページや、ウイキペディアフリー百科事典、国指定文化財等テータベースの「詳細解説」のいずれも認識できていない。

○つまり、大和三山を語るのに、「万葉集」抜きでは語れないことを、奈良県橿原市のホームページや、ウイキペディアフリー百科事典、国指定文化財等テータベースの「詳細解説」のいずれも理解していない。それでは、到底、大和三山を語ることはできない。

○ちなみに、当古代文化研究所では、これまで大和三山に八回登り、そのことを確認している。

  第1回  1992年3月28日
  第2回  2003年8月11日
  第3回  2005年5月10日
  第4回  2009年3月29日
  第5回  2010年4月3日

  第6回  2011年5月3日

  第7回  2021年2月3日

  第8回  2022年12月19日

もっとも、第8回は、まだブログに書く時間が無い。

○誰もが、大和三山くらい、知っていると思っている。しかし、誰も大和三山をよく理解していない。第一、最も大和三山を記録している「万葉集」自体が、満足に大和三山を理解していない。それ程、大和三山は不思議な山である。

○その大和三山は、伝統的に、畝傍山・香具山・耳成山と表記されて来た。それを、わざわざ、香具山・畝傍山・耳成山と改悪したのが文化庁であることに、驚く。とんでもない愚行である。そのことを文化庁は、とんとご存じない。

○当古代文化研究所では、そのことについて、機会ある毎に指摘している。しかし、未だに訂正されない。不思議な話である。当分はしらを切って、やり過ごそうと言うつもりらしい。

○しかし、どう転んだところで、大和三山は、畝傍山・香具山・耳成山で無くてはならない。それは、大和三山で、もっとも凄い山は畝傍山であるからに他ならない。ある意味、日本で最も凄い山が畝傍山なのである。もちろん、それは富士山よりも、遥かに気高い。

○どういうことかと言うと、それは「古事記」や「日本書紀」を正確に読むと、判る。もっとも、文化庁には、そういう情報が無い。つまり、文化庁には、満足に「古事記」や「日本書紀」すら、読めていないことが判る。だから、こういう間違いが起こる。

○「古事記」と「日本書紀」の、天孫降臨の世界山に関する全記録を探すと、次のようになる。

  「古事記」   竺紫日向之高千穂之久士布流多気

          (つくしのひむかのたかちほのくじふるたけ)
  「日本書紀」  本文 日向襲之高千穂峯(ひむかのそのたかちほのたけ)
           槵日二上天浮橋(くしひのふたがみのあまのうきはし)
         一書 筑紫の日向の高千穂の槵觸之峯

            (つくしのひむかのたかちほのくじふるのたけ)
         一書 日向の槵日の高千穂之峯(ひむかのくしひのたかちほのたけ)
         一書 日向襲之高千穂槵日二上峯天浮橋

         (ひむかのそのたかちほのくしひのふたがみのたけのあまのうきはし)
         一書 日向の襲の高千穂の添山峯

          (ひむかのそのたかちほのそほりのやまのたけ)

○この条件で、天孫降臨の世界山を探すと、次のようになる。

  ①竺紫(九州)の日向(国)に存在する。

  ②高千穂と言う名の山である。

  ③久士布流多気・槵觸・槵日之峯

   (先の尖った山・異形の山・火の山・日に輝く山)である。
  ④日向(国)の襲(曽於郡)の高千穂峯である。

  ⑤二上(山頂が二つある)山である。

  ⑥天浮橋(天上を歩くような)山である。

○この全ての条件に当て嵌まる山が天孫降臨の世界山だと言うことになる。そんな山は二つとは無い。つまり、天孫降臨の世界山とは、誰が、何時、何処で考えても、霧島山高千穂峰だと言うことが判る。

○当古代文化研究所では、長年にわたり、そういう研究をしている。結果、天孫降臨の世界山が霧島山高千穂峰であることを確認している。実は、その天孫降臨の世界山である霧島山高千穂峰が邪馬台国三山の一つでもあることも、確認済みである。

○ちなみに、邪馬台国三山とは、次の山々を指す。

  ・霧島山(1700m)
  ・桜島山(1111m)
  ・開聞岳(924m)

○何のことは無い。大和三山とは、もともと邪馬台国三山のレプリカに過ぎない。大和国名を冠せられた山が標高200mにも満たない山であることは、どう考えても、あり得ない話である。つまり、本物の大和三山は、次の邪馬台国三山なのであることが判る。

  ・うねびやま=霧島山(1700m)
  ・かぐやま=桜島山(1111m)
  ・みみなしやま=開聞岳(924m)

○真面目に「万葉集」を読み、「古事記」や「日本書紀」を読むと、そういうことが判る。したがって、大和三山は、あくまで、

  ・畝傍山(199.2m)

  ・香具山(152.4m)

  ・耳成山(139.7m)

とするのが正しい。誰が考えても判ることである。