福江島の大山祇神社 | 古代文化研究所

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古代文化には、多くの疑問や問題が存在する。そういうものを日向国から検証していきたい。

○2022年7月8日は、福江島の福江町にある「GOTO TSUBAKI HOTEL」を出て南下し、富江町まで行って内陸部に入り、岐宿町二本楠の三叉路で左折し、玉之浦町へと向かった。この辺りからは、七ツ岳がきれいに見えた。

○その岐宿町二本楠中尾に、立派な森の中に、神社が鎮座ましました。気になって行ってみると、大山祇神社だった。鳥居に二本楠郷の文字がみえたので、二本楠郷大山祇神社だと思われる。

○福江島では、富江町や玉之浦町の大山祇神社が知られるらしい。今回は時間も無くて、そこまでは見ることが出来なかった。それで、気になって、福江島の神社を調べてみると、意外に大山祇神社が多いのに、驚いた。

  【福江】

    山祇神社  五島市大荒町

    山祇神社  五島市篭渕町

    山祇神社  五島市上大津町

    山神社   五島市上長手町

  【富江町】

    山祇神社  富江町長峰

    山祇神社  富江町狩立

    山祇神社  富江町山手

    山祇神社  富江町山下

  【玉之浦町】

    山祇神社  玉之浦町幾久山

    山祇神社  玉之浦町玉之浦

    山祇神社  玉之浦町丹奈

    山祇神社  玉之浦町幾久山

  【岐宿町】

    山祇神社  岐宿町松山字垣ノ内

    山祇神社  岐宿町戸岐首字宇田尾

    山祇神社  岐宿町楠原字楠原

    山祇神社  岐宿町二本楠字道辻

    神埼神社  岐宿町川原字神崎

    山祇神社  岐宿町岐宿字山里

○こんな小さな福江島に、長崎県神社庁が管轄している神社が78社も存在するらしい。そのことに、驚く。五島列島と言うと、キリスト教の教会が有名だが、意外に、五島列島は神様の島でもある。そういうことにも、しっかり、注目する必要がある。

○島であるから、蛭子神社や宗像神社、金毘羅神社、住吉神社などが多いのではないかと思っていた。特に、北九州であることを考慮すれば、宗像神社が多いのではないかと思っていた。意外に、山祇神社が一番多いのに、驚いた。

○もっとも、五島列島に大山祇神社が多いのには、納得できることである。大山祇神の故郷は、鹿児島県鹿児島郡三島村硫黄島になる。大山祇神と言えば、その名の通り山の神だが、もともと海の神様でもある。だから、五島列島に多く大山祇神が斎き祀られているのは、むしろ、当然な話である。

○大山祇神を斎き祀る神社と言えば、伊予国一の宮である大三島に鎮座まします大山祇神社や、伊豆国一の宮である三嶋大社が有名である。しかし、大山祇神の故郷は、鹿児島県鹿児島郡三島村硫黄島である。もともと日向国の神様が大山祇神である。

○こういう五島列島に於ける信仰を考えると、日向国との関連性が高いことに、驚く。当古代文化研究所が今、追い掛けているテーマ「海の民の肥国をさるく」は、そういう話である。後世、それは遣唐使南島路として認識されることとなる。