甑島大明神 | 古代文化研究所

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古代文化には、多くの疑問や問題が存在する。そういうものを日向国から検証していきたい。

○上甑島の最南端に存在するのが甑島大明神である。現在は、甑大明神橋が架かっていて、橋の手前に、モニュメントが建っている。そのモニュメントには、次のようにあった。

      甑(こしき)島の名の由来

   甑島の名前の起源は甑(蒸器)形のこの巨岩を甑島大明神と

  崇めたところから起こっている。

   これは日本人が古くからもっている巨岩崇拝と生命を維持する

  ための穀物を蒸す道具である甑に対する信仰とが結びついた

  ものである。

   甑岩は風化し、古代そのままの形ではないが、甑島大明神の

  信仰は今もなお綿々と続いている。

○インターネット検索すると、次のページがヒットした。

      甑大明神

   甑形の大岩が御神体です。祭日は、旧暦9月9日。元来、甑大明神には社殿はなく、

  岩そのものを神として拝していました。祭儀も甑岩の近くにある平岩の上で行われて

  いました。「甑島」地名発祥の地といわれています。

  甑大明神 – こころ | 薩摩川内観光物産ガイド (satsumasendai.gr.jp)

○ある意味、この甑島大明神へ参拝するのが目的で、今回の旅行は計画したとも言えよう。何しろ、甑島の名前の由来となった甑島大明神である。

○甑島大明神は容易に人を寄せ付けないところに存在した。もともと、陸上から行く神社では無かったのではないか。海上から遥拝する神社が甑島大明神ではないかと思った。

○ただ、上記説明にもあるように、

   甑岩は風化し、古代そのままの形ではないが、甑島大明神の信仰は今もなお綿々と続いている。

のが甑島大明神だと思われる。もともとは、もっと巨大で、しっかりと甑の形をしていたものと思われる。現在は、風化によって、その形を失っている。そのことは、写真でも容易に判断される。

○ただ、上記説明にある、

   これは日本人が古くからもっている巨岩崇拝と生命を維持するための穀物を蒸す道具である

  甑に対する信仰とが結びついたものである。

と言う判断には、賛同し兼ねる。それなら、甑崇拝が各地に存在するはずだろう。寡聞にして、そういう話を聞いたことが無い。

○それに、巨岩崇拝なら、甑島には甑島大明神岩以外に、立派な巨岩が幾らでも存在する。そういう巨岩が対象ではなくて、甑島大明神岩が特別に選ばれる理由が無い。

○そういうことを理解するためには、もっと甑島をよく理解し、甑島大明神について、しっかり学習するしかない。一回や二回参拝したくらいで、判断することは危険である。

○取り敢えず、甑島大明神へ参詣できたことは、大きい。甑島大明神がどんなところに鎮座ましまして、どういうふうであるか。少なくとも、それくらいは理解できた。